山崎豊子さんには何度も何通も手紙を書きました。もうこれ以上書けない、というほどの渾身の手紙を書いた自負もある。けれど、「新潮と文春以外からは出さない」とその壁を崩せなかったね。村上春樹さんもそうだ。『風の歌を聴け』を出したすぐあとに、すばらしい作品であることを伝えたくて「あなたの作品を僕はこういうふうに分析している」と伝えた。しかし、彼の意にはそぐわなかったようで、それきりの関係に。一度だけ雑誌に小説を受け取ったことはあるが、本をつくることはかなわなかった。村上春樹と本をつくりたかった、という思いはあるよ。

見城徹     幻冬舎創業者

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