出井伸之
元ソニーCEO、クオンタムリープ創業者
出井伸之の名言
出井伸之の過去の名言をまとめた名言集です。
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新しいことをやれば、ある程度の矛盾は避けられません。ですからあまり秩序的に考えすぎず、矛盾や混乱はむしろ喜ぶべきなのです。
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どんな嫌な経験でも、あとから考えると、すばらしい経験だった、と気づける。
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自分は何が好きで、何がやりたいのか。どんな人になりたいのか。そこを徹底的に突き詰めてほしい。そうやって常に「気づき」を求めていれば、今まで何とも思っていなかった情報さえも自分の中で活きてくるはずです。
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ヒット商品を作ればいいという時代ではない。過去に答えはない。今からアップルのまねをしてもだめで、アップルの先を行くべきだ。
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世の中の産業は、技術の発展とともにつくり方も何もかも変わってきています。にもかかわらず、いまだに20世紀の名残のようなことをやっている企業が少なくありません。
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ユーザーの立場に近いものほど、イノベーションを起こす可能性が大きい。したがって大企業からではなく、小さな企業からイノベーションが生まれるチャンスが広がっている。
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失敗しても危機ではなく、次のチャンスだと考える。ネガティブに捉えて悪い方向に進むのと、どちらが良いかは明らかでしょう。
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私は「成功の定義」にも少し疑問を感じています。会社をIPOさせて、まとまったお金が入ってきたら成功なのか。お金を集める意義は、手にしたお金を元に次の価値を創るチャレンジをすることだと思います。起業家ならば、ベンチャーならば、チャレンジし続けてほしい。
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プロフェッショナル経営者の最大の悩みは、社内の求心力をいかに確保するかです。創業者ならば、「会長が言っているから」として社内が納得することでも、プロフェッショナル経営者が求心力を保つには、売上高や利益を増やして、経営の成果を数字で示すしかありません。そこで、プロフェッショナル経営者はどうしても、短期的な業績アップに力を注がざるを得なくなります。
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社会に住んでいるときは、仮面を被って、生きているんですよ。ずっと地で行っていたら疲れてしまう。仮面をかぶり、舞台を演じていていいと思う。ただ、それに自分が気づけているかどうかが、重要なんです。これは、本当の自分ではない、ってね。
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多くの人がマーケティングを販売促進のことと思っているようですが、マーケティングとは売れるための潜在力を創造することです。
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自分自身をひとつの会社だと考えなさい。そう考えると、月収を売上げだとすれば、個人価値に値するのは株価。通常企業ではどちらも見なければいけません。売上げが同じ会社であっても、株価が異なることは多いでしょう。
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私は日本企業の改革について、「企業を二つに分け、既存の事業を行う組織と新しいことに注力する組織につくり替えよ」と公言している。第一で従来型の経営を続け、第二では創造的な取り組みをする。旧体制をつくり替えるのは難しいが、新たに「第二」を走らせることで、新しい芽を育てていく。
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いま自分のやっている仕事が、どういう時期にあるのか意識しておくことが大切です。一日に例えれば午前のビジネスでまだ準備段階なのか、あるいは夕暮れに差し掛かって儲けている時期なのかということを見極めておくことです。もし日が沈みそうであれば、すぐに次にやるべきことを用意して、再度太陽が昇るようにしないといけません。
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組織は変えられません。それを変えさせるには、すぐ近くに競合的な組織をつくってやるのが一番です。
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私もこの歳になると「ゼロから起業して、会社経営するなんてスゴイですね」と言われますが、じゃあ引退して、毎日ゴルフでもしてろって言うのかと。それもひとつの生き方ですが、私はハングリー精神を持って、新しい仕事に挑戦している方が楽しいんです。一生、挑戦し続けていたい。
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大企業の短所は、大きいがゆえに組織が硬直的で、仕事が固定化している場合が多いこと。それに対してベンチャーの長所は、組織が柔軟で仕事が常に変化している。ベンチャーの短所は、一度大きな失敗をしたら会社が潰れてしまう可能性があること。こういった大企業とベンチャーが、お互いの長所を組み合わせ、短所を補完すれば、日本経済に「クオンタムリープ(非連続の飛躍)」を起こせると私は考えています。
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私が「クオンタムリープ」で常に経営陣に伝えているのは、未来を見据える視点を持つこと。未来の競争相手は誰か?未来の顧客は誰か?未来の株主は誰か?10年、20年、50年先のことを、表面的に捉えるのではなく、常に本質的に捉えなければ経営はできません。
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失敗なんて当たり前。ソニーに入社した僕は失敗の連続ですよ。自分のことを考えてみれば、調子の良いときもあれば風邪をひくこともある。お腹を壊すこともある。すべてが上手く行くなんてありえないでしょ。
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業はひとつの生命体です。だから自分の意思を持っているし、加速をつけて発展していきます。その中にいる個人も同じく生命体で、いろいろな生命が生きている企業の中では、自分の意思よりも会社にとって何が一番いいかを考えることが一番のポイントです。
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さっき(任天堂の)山内さんが話してくださったことを全部書き留めておこう。ソニーは全部、その逆をやって、独自のフォーマットで新しいゲーム機を作ろうじゃないか。
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起業したいのであれば、世の中の役に立つことをしてほしい。お金儲けを目的にするのではなく、社会への価値提供をまず第一に考えてほしい。お金が儲かるのは、あくまで結果ですから。お金儲け以外の自分を突き動かす強い想いが無ければ、起業しても成功はできないでしょう。
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「育てる」メカニズムをいかにして作るかが、企業の重要なミッションだと思います。そしてそれにはやはり、「情熱」というものが不可欠なのです。
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元々、ソニーには「個性」を尊重する文化がありましたが、これからはよりいっそう、「人と違うこと」を受け入れる土壌を豊かにしなければなりません。
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ネットワーク技術の進歩は、ビジネスの世界にとって大きなチャンスであるとともに、既存のやり方が通用しなくなるという意味で大きなチャレンジでもあるのです。
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これからは個々の社員が起業家、事業家にならないとビジネスがうまくいかない。
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危機の時代は迫ってきているのではなく、もうここに来ているかもしれないのです。
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変化というのは、質量が「軽い」領域からまず起こってくるというのが私の持論です。一番軽い「お金」を扱う金融業界が変わり、次に映画や音楽といったコンテンツがインターネットを通じてビットで行き来する、知的情報産業が変化の荒波にさらされた。その次は比較的質量の軽いエレクトロニクス産業で、自動車や重電などの産業のスピードと比べるとはるかに速いスピードで産業構造の再編を迫られています。
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人の話を聞く姿勢がない人は、その先には進めません。生意気盛りの人にとって、おそらく耳に痛いことは聞き入れにくいものです。しかし、そうしたことを言ってくれる人がいるということは、とても重要なのです。
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日本のアナログ時代に成長したメーカーは規模が大きすぎて、今のインターネット時代に合っていません。多くの企業は今の半分程度の従業員でやっていけると思います。必要な業務はアウトソーシングすればいいんです。そうした企業の体制も、今後は思い切ってスリム化していくべきです。
出井伸之の名言を見ている方へお薦めする名言
出井伸之の残した名言を分析し、それらの名言の傾向に近い名言を厳選して紹介します。
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兵士にもっとも望まれる資質は、与えられた作業をこなし続けることだ。剛勇さは2番目でしかない。
ナポレオン フランス皇帝
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松井証券では社員を120人に絞り、給料は会社からもらうのではなく、顧客から得た利益の中からもらうという意識を徹底させている。会社という組織の中で「給料をもらって働く」のではなく「自分が働いて給料をもらう」というのは至極当然の考え方である。
松井道夫 元松井証券社長
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不況を、長期成長戦略を練り直す好機ととらえ、そのために時代の大きな流れ、現実や変化を国際的な視野で迅速につかむ必要がある。
千本倖生 DDI(現KDDI)共同創業者、イー・アクセス、イー・モバイル創業者
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商売の良いところは、自分ですべてのリスクをコントロールできるところにある。不確定要素が多いように見えて、実は不確定要素があったら、それを回避すればいいだけの話。
堀江貴文 オン・ザ・エッジ創業者、投資家、著作家
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私はこんなに努力しています。一生懸命働いています。というのは本人の勝手な思い込みです。肝心なのは働いた結果として、どれだけ商売ができたのかということです。
松井道夫 元松井証券社長
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その身が正しければ、法に拠らなくても人は従い、その身が正しくないと、令に拠っても人は従わない。
孔子 思想家、儒教の祖
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負けているときに落ち込んだり、勝っているときに喜ぶチームは怖くない。負けているのに元気なチーム、勝っているのに喜ばないチームこそが怖い。
イチロー プロ野球選手、メジャーリーガー
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エンターテインメントは、観る側とせめぎ合わないとダメだと思いますね。お客さまを呼び込む以上のものを作り上げようとしないと。観客と綱引きをし続けないと、どうしても低いほうに流れていってしまうんです。互いに、心が豊かになるほうがいいよね。
渡辺謙 俳優
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集まった中で最も賢い人であってはいけません。もしあなたが最も賢ければ、もっと賢い人を連れてくるか、別の集まりに行ってください。
マイケル・デル デル創業者
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他の芸人さんを「脅威」とか感じたことはありません。いろんなタイプの人間が出てくるっていうのが当然だと思っていたし。俺らは俺らで面白いことをやっていくということでしかなかったので
石橋貴明 お笑いタレント
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人真似をするな。楽をしたければ人真似をするのも自由だが、そうなると企業は転落と崩壊の道をたどり始める。
本田宗一郎 本田技研工業創業者
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事業で一番大切なのは、信用できる人物を得て取り締まりの手を省くという事にある。番頭や手代が商売しながら取り締まりの事も兼ねるのは、大工と普請奉行と二役を勤めるのと同じことなのだから、たとえ給料を高くしても主人にとってはるかに得であり、結局、双方共に利益となるであろう。
福沢諭吉 思想家、教育家
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事業は良い計画を立て、時を活かす事により成功する。先の先を見透かして事業を始める。気は長く持つが、行うときは気短でなければならぬ。
石橋正二郎 ブリヂストン創業者
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集団的秩序で安全、安泰としていられない「常に崖っぷち」という状況を、新しい人を入れることで作りたい。そうやって生きてきたからね。集団、あるいは人間関係、そんなものでは生き残れないんだから。
蜷川幸雄 演出家、映画監督
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能ある一人の人間が、その能を生かすためには、能のない幾十人という人間が、目に見えない力を貸している。
山本周五郎 小説家
出井伸之について
出井伸之は東京都出身の元ソニーCEO。PC事業への参入、ソニーミュージック設立、ネットワーク会社ソネットの設立など、アナログ製品のものづくり企業だったソニーをデジタル製品とコンテンツの企業への変革しようと試みた。また次期経営者の選考を社外役員らに任せる「委員会等設置会社」制や執行役員制など、アメリカ的経営を取り入れたことでも知られる。
1937年(昭和12年)11月22日、東京都に生まれる。父は経済学者で早稲田大学教授の出井盛之。1960年(昭和35年)、早稲田大学政治経済学部を卒業し、ソニーに入社。外国部に配属され、ジュネーブ国際・開発研究大学院へ留学し修士課程を修了。ジュネーブ、パリで駐在を経験しソニー・フランスの設立にも従事した。帰国後はコンピュータ事業部長、オーディオ事業部長、ホームビデオ事業本部長、広告・宣伝本部長などを経験。1989年(平成元年)取締役に就任し、1995年(平成6年)常務取締役。1996年(平成7年)、14人抜きの抜擢でソニーの社長兼COOに就任。
出井伸之はソニーの変革を目指し、「リ・ジェネレーション」、「デジタル・ドリーム・キッズ」というスローガンを打ち出し、PC事業への参入、ネットワーク事業への参入などデジタル化を推し進めた。さらにソニー銀行の設立、ソニーミュージックの設立など、金融やサービス部門の強化にも取り組んだ。出井伸之はフォーチュン誌選定の1997年のアジアのビジネスマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、1998年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章オフィシエ章を授章した。1999年にはCEO、2003年には会長に就任。2000年からは政府のIT戦略会議議長も務めた。しかしながら、テレビ部門が不振に陥り、デジタル音楽プレイヤーでウォークマンがiPodに苦戦するなど、かつて主力としてきた部門での退潮が顕になり、業績も低迷。2003年4月にはソニーの連結決算発表への失望から売り注文が殺到、ソニー株の取引が成立しない事態となり、日経平均株価はバブル後の最安値となる7699円50銭まで下落し「ソニーショック」と呼ばれた。2004年1月に出井伸之はビジネスウィーク誌選定の「世界最悪の経営者」に選ばれてしまう。2005年、会長の出井伸之と社長の安藤國威は業績低迷の責任を取る形で退任。ハワード・ストリンガーが後任の会長に指名された。2006年コンサルティング会社「クオンタムリープ」を設立し代表取締役に就任。