松井道夫
元松井証券社長
松井道夫の名言
松井道夫の過去の名言をまとめた名言集です。
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30年ほど前、私が社会に出た時には、時代に大きな変化はなく、過去の延長線上に未来があると信じることができました。しかし、当時大企業と言われていたところは、現在凄まじい競争の渦中にあり、のたうちまわっています。みんなが思い描いていた将来のイメージとは全然違い、予想もしなかった変化が起きているのです。
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重要なことを考えるときには、自分をだまさないことも大切です。自分に素直になるといったほうがいいかもしれません。
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会社の文化というのは、やはり経営者がつくるものです。経営者次第で会社は浮かびもすれば沈みもする。
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私は日本がもう終わりだとは思っていません。一番のカギを握るのは若者ですよ。これまでの歴史の中で年寄りが歴史を変えたなんて話、聞いたことがない。世の中に変化をもたらすのはいつの時代も若者です。
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突き詰めて考え続けないと、本質的な答えは得られない。
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今後、「会社」の定義も変わっていくでしょう。個人は一つの会社に「属する」のではなく、複数の会社に「参画する」のが当たり前の時代となり、「社員」という呼称さえなくなっていくと思います。商法上の「社員」だけで充分です。「社員」という言葉には隷従という響きがあります。組織は個の集合体に過ぎず、単なる器です。これからは「考える人」や「感じる人」によって組織が成り立つ時代になります。無数の会社が生まれては消えていくでしょう。
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私の好きな言葉は「坐忘」です。これは大学の先輩でもあり日本生命の社長・会長をされた故・伊藤助成さんから教えてもらった禅の言葉です。新しいものを取り入れる為には、まずは古いものを捨てるしかないと。捨てた余白に新しいものがどんどん入ってくる。シュンペーターが唱えた「創造的破壊」と同じです。
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松井証券には過去、オンライン証券事業を始めた直後にシステムダウンを起こした苦い経験があります。数十分間でしたが、その間の数万件の取引を修復するために、社員が交代で徹夜状態になりながらひとつずつ帳簿をチェックしたのです。それでも全部解決するのに半年間かかりましたよ。トラブルを起こした年は、ちょうど創業80周年。自分が受け継いだ「老舗の松井」はここで潰れるかもと、本気で思いました。システムトラブルは会社の生死に関わる問題だと、身をもって感じたのです。その時の教訓が今につながっています。
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社長に求められる一番大事なものは時代観。これに尽きます。時代はどんどん変わりますから、参考図書はあっても、「今はこういう時代だ」と教えてくれる書物などありません。考えて考えて考え抜いて、時代観を自分の頭で構築するのが社長の仕事です。
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学生や卒業したてで起業したいなどという人には、クソして寝てろと言いたいです。
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会社と顧客は信用市場で、同じように、リスクを負っている。掛け目0とは、そのリスクをすべて顧客に押し付けたことを意味している。業界では非常識すぎて話にならない。
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会社勤めには向いていない性格だと、いまでも思います。よく言えば他人に影響されない。悪く言えば唯我独尊。やっぱり画家的なんですよ。
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会社経営では利益ももちろん大事ですが、もっと大事なことがあります。「お天道様に恥じるようなことをしては絶対にダメだよ、お天道様はいつでも見ているよ」ということです。私は来年還暦を迎える、まだ経営者の端くれにすぎませんが、日本人なら誰しもが幼いころから教えられてきた、このことがすべてなのかなと思っています。
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よく読んでいるのは、世界情勢を分析する「オックスフォード・アナリティカ」。英国企業が発行している英文リポートです。このリポートは、世界中の政治家や経済人に読まれており、政治や経済上の出来事を6~7時間後には論評している。日本で起きている時事問題も、日本の報道とは違う視点で、詳しく客観的に述べています。大局的な視野に立って考えるうえで、非常に役立ちます。
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社長の仕事は考えること、瞑想することだというのが私の持論です。社長がやるべきことは、きわめて哲学的なことです。部下が持ってきた選択肢からどれかに決めるのが社長の仕事だという人もいると思いますが、私は全然違うと思います。
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組織をどのようにして束ねていくかが会社の浮沈にかかわりますから、組織論はとても大事です。たとえば、アメリカ陸軍の特殊部隊であるグリーンベレーの最小単位は十数人です。軍隊は互いに生死を賭けるわけですから、全員が情報を共有していないと高度な作戦など遂行できません。「あいつシャイだけど、やることは大胆なんだ」とか、「冷血なようで、結構涙もろいんだよな」とかいった類の人間心理も含めての情報共有です。要するに家族のような関係じゃなくては、作戦が高度になればなるほどリスクが高まります。だから、多くて十数人が限度でしょう。そこに指揮官がいる。そう考えると、会社の組織も同じだと思います。私が直接見られるのも、せいぜい十数人です。その十数人が層になって会社という組織になっているのです。
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インターネットよくわかりません。そんなに興味もないしね。
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結局、最後はアナログに帰っていく。人間の感性とか、気が合うとか合わないとか、結局のところ人間の集まりである組織はそこへ戻っていく。エリートとは反逆児。自分が会社を創り上げるという意識が大切。組織を因数分解するとすべて「個」になる。「個」が何を創り上げるか、「個」の集積が組織なのだ。
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あるテーマについて考え続け、考えがある程度まとまってきたら、500~600字のエッセイにまとめて、自分宛にメールを送っています。書く前に「このことについて前にも何か書いたな」と思い出したら、そのメールを探して読み返す。メーラーの「返信」ボタンを押して、過去の文章を引用した状態にし、「この時考えたことは正しかった」あるいは「全然考え違いをしていた」というふうに、新たな考えを前後に書き足す。それをまた、自分にメールで送ります。こうすることで思考を深めていくことができる。毎日必ず書くのではなく、ふと思い立ったら書くという感じで、肩肘張らず自然体で取り組んでいます。
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朝はなかなか頭が働かないため、出勤前に水泳をして頭を覚まし、思考のスイッチをオンにしています。20~30分かけて1kmをクロールで泳ぐのですが、最初は慣らし運転。体が慣れてきた15分後くらいから、泳ぐというより、体が勝手に動いて、ただ水に浮遊しているようなスイマーズハイの状態に入ります。脳がリラックスし、研ぎ澄まされていく感覚が得られます。この時、自分から積極的に何かを考えたりはしない。いろいろなことが頭に浮かんだりはしますが、基本的には「脳の休息時間」になっています。
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広告コピーは「てにをは」を変えるだけで、人に引っかかりを与えるようなフレーズ創りができます。絵も同じで、線の角度をちょっと変えるだけで、まったく印象が違ってくるんです。それをつまらないことだと思ったら、広告創りから外れたほうがいいと思います。人の感性というのは鋭いもので、つまらないものはすぐに見抜かれます。いいなと思うような広告を考え出すには、髪の毛をかきむしって悩まなくてはいけない。要するに思い入れなんです。もちろん、中身が一番大切で、そこには思い入れがぎっしり詰まっている。でも、そんなものに世の中の人はまったく興味がない。斬新さに注目が集まります。広告というのは、会社の魂の叫びなんですが、それを行間に隠して、さらっと、分かりやすく世に問う作業です。言葉選びは本当にむずかしいと、つくづく思います。
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息抜きで絵は描けません。いつもキャンバスの前で頭をかきむしっています。絵を描くのはストレスの溜まる行為。でも、だからこそおもしろい。
松井道夫の名言を見ている方へお薦めする名言
松井道夫の残した名言を分析し、それらの名言の傾向に近い名言を厳選して紹介します。
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秘訣は、することがないときには何もしないことだ。
ウォーレン・バフェット 投資家、バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO
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雇用の流動化が着実に進んでいます。流動化が進むということは、いい人材を採るために賃金を上げる必要が出てくる。同時に、賃金に見合った働きをしてもらう、つまり生産性を引き上げることを考えなければなりません。
新浪剛史 元ローソン社長、サントリーホールディングス社長
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お客様に、いまだかつてない驚きや喜びを感じていただけるかどうかがすべて。未知の魅力を出さなければ受け入れてもらえない。
岩田聡 元任天堂社長
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「なぜRubyは世界中で使われるようになったのですか」と聞く人がいるのですけど、内心は「分かりません」と答えたいんです。だけど、インタビュワーに嫌な顔をされるので、もっともらしいことを答えるんです。 「コミュニティが~」とか適当なことをいろいろ言って。でも、分かりませんっていうのが正直な気持ち。分かりませんよ。
まつもとゆきひろ ソフトウェアエンジニア
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利益を上げて経営状態が良くなってくると「うちの会社はいま何百人の社員がいる。将来は、何千人にするんだ」といって、買収を繰り返し、組織を拡大していく経営者がいます。つくづく疑問に思います。みんな規模を拡大しようとする。足し算の発想をするのです。しかし僕は、もう徹底的に引き算の発想をしようと思って、有無を言わさず本社を移転しました。余計なものを排除する。つまり、規模を捨てたんです。徹底的な引き算の発想を、社員に示したつもりです。
松井道夫 元松井証券社長
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最初から社内の賛同が得られたわけではありません。多くの社員は既存の成功体験の中にいました。熱心なファンを敵に回すのではないか。そんなところに本当に市場が存在するのか。反対意見が噴出です。いまいるのは互いにノーガードで殴り合う血まみれのレッドオーシャンだけれど、確実に市場はある。向こうは血の流れていないブルーオーシャンかもしれないが市場になるかどうかわからない。それでも腹をくくったのは、この方向性は絶対に正しいという自分なりの信念があったからです。
岩田聡 元任天堂社長
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私が社長に就任したとき、キヤノンは多角化を標携し、事業部制を敷いていました。その体制が長くなり、制度疲労が起きていた。だから、全体最適という方針を打ち出しました。事業部の壁を破るため、全社に横串を通す委員会を作り、事業部門長に兼任させました。事業部間の壁が低くなり、次第に取り払われました。これで、中央集権で全体最適を目指す効率的な組織に生まれ変わりました。
御手洗冨士夫 元キヤノン社長
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ビジネスマンの皆さん「わが社は大丈夫」と思ってはいけない。公務員諸君「親方日の丸だから」と安心してはいけない。静かに貯金するより勇を奮って改革に励もう。
堺屋太一 経済評論家、小説家
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ずっと高いモチベーションを持ち続けられる人なんてあまりいません。私は普通の人間ですから、当然、上がったり下がったりします。ただし、下がったときは自分でコントロールして、できるだけ素早く上げるようにはしています。
平野岳史 フルキャスト創業者
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毎月毎月お金が入ってくると思ったら人間、努力はしなくなる。でも、お金を稼ぐことの原点はもっとかっこ悪くて、食らいつくような貪欲さにあると思うんだ。特にうちみたいな小さい会社にくるヤツは、一流企業に入れないでくすぶっている中で起死回生にならねぇかなって入ってくるわけじゃない。だったら、入っただけで安心するんじゃなくて、そっからどういうふうに自分を奮い立たせるか。そういうパワーがないと。それはいま、転職を考えている人やリストラにあってしまいそうな人にも伝えたい。
テリー伊藤 テレビプロデューサー、タレント
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これから全く新しい技術が出てくるかもしれない。我々がやるべきことは、その技術の進化に対応できる組織体制をつくっておくこと。技術の進化を把握できる能力を持ち続けること。そして、その技術を我々が提供する商品やサービスに反映させること。
カルロス・ゴーン 元日産自動車CEO
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急速は事を破り、寧耐は事を成す。
西郷隆盛 武士、政治家
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執筆のため事件に関するたくさんの一次情報を集めるにあたっては、自分なりの仮説を立てます。しかし、取材を進めるにつれて、その仮説が崩れていくのが面白い。たくさんの当事者に実際に話を聞くことで、仮説が崩れていきます。もし崩れなかったら、少しも面白くありません。一人の当事者の話は氷山の一角。水面下にある部分まで探り出すにはたくさんの当事者と会う必要があり、そのことによって仮説がどんどん崩れていくのです。それが取材というもの。情報収集というものだと思います。
田原総一朗 ジャーナリスト
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株価がその企業の価値よりも安く、しっかりとした経営陣であると確信できるのであれば、そこで利益を生むことが出来るのです。
ウォーレン・バフェット 投資家、バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO
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先に課題ありき。そのために何が必要か、それが発見できたら動く。そうやって成長し続けていかなくてはならない。課題も大きくしていかなくてはならない。
柳井正 ユニクロ創業者