ジョン・スチュアート・ミル

哲学者、思想家

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ジョン・スチュアート・ミルの名言

ジョン・スチュアート・ミルの過去の名言をまとめた名言集です。

  • 人は行動によってだけではなく、行動しないことで他人に悪事を及ばせることがある。そしてどちらの場合でも、損害に対して責任を負う。

    出典:  ジョン・スチュアート・ミル、G.W.スミス「John Stuart Mill's Social and Political Thought: Freedom」

  • 主流となった意見は、自分で判断する能力がさほど優れていない人々に対して圧倒的な影響力を持つ。

  • 満足した豚であるよりも、不満足な人間であるべきだ。満足した愚か者であるよりも、不満足なソクラテスであるべきだ。もし、豚や愚か者が異議を唱えるならば、それは自らの立場しか知らないからだ。

  • 人間の自由を奪うものは、暴君よりも悪法よりも、実に社会の習慣である。

  • ある物事について自分の側しか知らない人は、その物事についてなにも知らないに等しい。

  • 国家の価値は、結局はその国家を構成する個人の価値である。

  • 教育というのものはたいてい、人々を全く同じ型にはめようとする企みだ。そしてその型は、政府の中枢を喜ばせるものだ。

  • 幸福を得る唯一の方法は、幸福を人生の目的とせず、幸福以外の何か目的物を人生の目的とすることである。

  • 高額所得者により高率の税金を課すことは、産業や経済に税金を課すことだ。それはよく働き、よく貯蓄してきた人々を罰することだ。

  • 人間が高貴で美しいといえる人物になるのは、個性を全てなくして画一的になることによってではない。他人の権利と利益をおかしてはならないという条件のもとで、個性を育て際立たせることによってである。

  • 自由という権利は、あなたが最も憎むべきと思っている人間にも備わっているものだ。

  • 幸福以外のものを目的として生きるとき、人は幸福になれる。

    出典:  ジョン・スチュアート・ミル 「ミル自伝」

  • 改革の精神は必ずしも自由の精神ではない。なぜならば、改革の精神は、改革を欲しない民衆に対してそれを強制しようとするかも知れないからである。

  • 社会に監視される人は、いつも自分の本性に従わないようにしているので、やがて従うべき本性をもたなくなる。人間としての能力は萎縮し、衰えていく。強い望みや自然な喜びはもてなくなり、たいていは自分のものだといえる意見や感情をもたなくなる。これが人間性の望ましい状態だろうか。

  • 個人の意志に反して権力が正当に行使されたと言えるたった一つの目的は、他者に対する危害を防止することだ。それが物質的なものであれ、倫理的なものであれ、良心に基づく行使は正当とは言えない。

    出典:  ジョン・スチュアート・ミル「自由論」

  • 「自分こそ正しい」という考えが、あらゆる進歩の過程で最も頑強な障害となる。これほどばかげていて根拠のない考えはない。

  • 保守主義者が常に愚かであるとは限らないが、愚者の最たるものはきまって保守主義者である。

  • 戦争は醜い、しかしこの世で一番醜いわけではない。腐敗し堕落した倫理や愛国心を持つと、戦争より悪いものは無いと考えるようになる。

  • 保守派の人々がみな愚かであるというのは正しくない。しかし、愚かな人々の大部分が保守派であるというのは真実だ。

  • あることをすることがその人にとってより良いから、あるいはそれがその人を幸福にするから、または他人の意見によれば、そうすることがより賢明であり、正義にかなっているからといって、あることをすること、またはしないことを強いるのは正当とされない。

  • 社会の初期の頃は、人の活力が強すぎて、人々を訓練し管理する社会の能力を超えていた部分があった。しかし今では、社会は個性をほぼ押さえつけられるようになっている。そして人間性を脅かすものは、個人の衝動と好みの過剰ではなく、不足になった。

  • 悪人が自分の目的を遂げるのに、善人が袖手傍観していてくれるほど好都合なことはないのです。

  • 満足した豚であるよりも不満足な人間のほうがよく、満足した愚か者よりも不満足なソクラテスの方がよい。

  • 周囲に調和しないことを恐れずに、型破りな行動ができる人間がいないこと。それが今の時代の最大の危機だ。

  • 自己教育の真の方法は、すべてのことを疑ってみることである。

  • 力によって他人にその道を強要することは、他の人たちすべての発展及び自由と合到しないばかりでなく、すぐれた当の本人を堕落させる。

  • 尊厳の感覚。それは幸福の根幹をなしており、これと対立するものは、一時的な場合を別にすれば、彼らにとっては欲求の対象とはなりえないほどである。

  • 自分一人の判断には自信がない分、世間の判断に頼りきろうとするのは通常である。だがこの場合の世間とは、自分が普段接している人たち、つまり所属する党派や宗派、教会、階級を意味しているにすぎない。

  • ある人の欲求と感情が他人より強く多様だというのは、その人が人間性の素材を豊富にもっているということである。衝動が強いとは、活力があるということの言い換えに過ぎない。

  • 今こそ個性の重要性を主張すべき時期である。人はみな同じでなければならないとする主張は大きくなっていく。人を一つの型にあてはめる動きが完成するまで抵抗を遅らせれば、その型からの逸脱はみな道徳に反すると考えられ、奇怪で凶悪で、自然に反しているとすら考えられるようになる。

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ジョン・スチュアート・ミルについて

ジョン・スチュアート・ミルはイギリスの哲学者で政治・経済にも多大な影響を与えた思想家でもある。政治分野においては自由主義や社会民主主義、経済分野においては貧富の差の解消のための政府の再分配機能に着目し、のちの社会保障政策に影響を与えた。

1806年イギリス・ロンドン生まれ。父親は経済学者のジェイムズ・ミル。ジョン・スチュアート・ミルは学校にいかずに教育熱心な父のもとで学んだ。その学習量はすさまじく、13歳ごろまでにはラテン語、ギリシャ語などの言語、数学、アダム・スミスやリカードなどの経済学を父親とともに学び、習得していったという。ジョン・スチュアート・ミルにはオックスフォード大学やケンブリッジ大学から教職の誘いがあったとされるが、これらを断って東インド会社で働いた。東インド会社には1858年まで在籍し、彼の研究活動は専業の学者としてではなく、通常業務と並行して進められた。

1843年には「論理学体系」を発表。ものごとの因果関係を示す5つの方法を示し、これらは「ミルの方法」と言われるようになった。1848年「経済学原理」を発表。ジョン・スチュアート・ミルは現代の経済学に通じる、経済モデルによる経済の分析を行い、帰納的方法によって経済理論を組み立てた。1859年「自由論」、1861年「功利主義論」・「代議制統治論」を発表。1865年から68年までジョン・スチュアート・ミルはイギリスの下院議員も務めた。1873年死去。享年66歳。