もしかしたら、ぼくの音楽を聴いた人が、気持ちが変わったり、前向きになったり、逆に後ろ向きになったり、そういう人もいるかもしれない。それを、音楽の力だと言ってしまえなくもない。ぼくらもそうだけど、音楽に限らず、映画を観たり、本を読んだりしたときも同じですが、何らかの影響は受けますからね。だからと言って、影響を及ぼしてやろうと思っちゃいけないですよ、作るほうの側が。ぼくは、そう思っているんです。むしろ、ぼくの意図とはかかわりなく影響を及ぼしてしまうかもしれないので、余り強い影響を与えるようなことは自分で禁じているくらいです。そんなに人をコントロールしてはいけない、と思っていますから。
坂本龍一 作曲家、ミュージシャン
この名言を見ている方にお薦めの名言
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「ロックの概念」なんてそれ自体どうでもいいことだし、人それぞれというか幅があるんだろうけど、80年代初頭の日本は「ロックの概念」をそれこそナタを振り回しながら探していたんだね。いまは、「これはロックか否か?」的議論をしないでしょ。賢明だよ。
桑田佳祐 ミュージシャン
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できるだけ美しいものを見つけることだ。多くの人々はあまりにも美を見出していない。
ゴッホ 画家
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絵を描くって思うと、人間はモノをちゃんと見るようになる。
島田紳助 お笑い芸人、司会者
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わたれぬような河のむこうに のぼれぬような山があった 山のむこうは海のような 海のむこうは街のような 雲は暗くー 空想が罪だろうか 白い額縁の中に そんな絵がある
谷川俊太郎 詩人、翻訳家
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日本人であるかぎり、何としても日本語は最大のよりどころだもの。たくさんいる音楽評論家さんたちも、ほとんどは音楽をサウンドで語ることなく、歌詞がどうのこうのになるのは、そう考えれば仕方ないかもしれませんね。
桑田佳祐 ミュージシャン
坂本龍一の他の名言
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ピアノが象徴している近代的な音楽の体系やシステムに対してですね。それに対する疑いというか、反発というか、物足りなさというか、そういうものは感じてました。今になってはっきり思い出すんですけれど、大学に入ったときに、88鍵をいっぺんに押さえて不協和音を出しても、大して不協和音に聴こえないと思ったんですね。すでにその当時から不協和音に聞こえなかった。現代音楽では、新しい技法や新しい表現を追及したりするわけですけど、使える音を全部同時に押さえても大したことないんだったら、それ以上何も追及できないじゃんと思って、音楽の可能性としては、こっちの方向性はもうないなと思いました。
坂本龍一
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大づかみのテーマになるようなメロディーやフレーズをたくさん考え、それらからふさわしいものを選択。また、2分半程度の短い音楽のなかに、ドラマにあるいくつかの要素をどう配置するかなど。テーマを選んだあとも、本当にそれでよいのか。
坂本龍一
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とても反語的なんだけど、アートはお金のあるところでしか発展しない。だから、世の中の必要性などに反して、自分の道を行け。アーティストの条件なんてないし、学校でアートを学ぼうなんて、もうそこからダメ。
坂本龍一
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多くの若い世代の人たちが、社会の問題を身近に考え、自分の意見を述べ、行動に移しています。これらのことが私たちにとっては唯一の希望です。
坂本龍一
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僕の持論でもありますが、よいコンサートほど眠たくなりますよ、必ず。だから、寝られないようなコンサートはダメです。
坂本龍一
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大体、大学院に入って卒業するまで延べて1週間ぐらいしか学校なんて行ってないんだから。
坂本龍一
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僕のエコ意識はあくまでも「エゴイストのエコ」なんですよ。自分が安全なものを食べたい、おいしい水を飲みたい、きれいな空気を吸いたい、自分の愛する家族や子どもたちにもそうであってほしいという気持ちからです。
坂本龍一
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人間というか、人類全体の創造性がちょっと落ちてるんじゃないかとさえ思ったりしています。例えば、ダフト・パンクが、「ゲット・ラッキー」のようにナイル・ロジャースを入れてやったって、ソウル系のディスコじゃないですか。こういうのは35年前にぼくたちやってたよ、と。もちろん、録音とか、打ち込みとか、その辺は新しくなってるのかもしれないけど、音楽の骨組みは全く変わってないので、つまんないですよね。古臭い音楽を、ピカピカの新しい録音でやられても、全然良いとは思わない。そうやって、R&Bのバラード系にしても、70年代に確立されたのがいまだに踏襲されてるくらいで、余りにも変わらないから、ぼくはもう民族音楽に近いなとさえ思ってるんです。もちろん、ぼくが最近の人たちをそんなに知らないせいもあるかもしれないですけど。
坂本龍一
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曲を作ってからどの音楽をどの場面に入れるかのリストを作り、大島監督と突き合わせをしたらなんと99%一致していて、これですっかり自信がつきました。まったくの新人に大切な仕事を丸ごと任せてくれる、その懐の深さがありがたかったですね。
坂本龍一
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音楽に、完全なオリジナルティはこの世には存在しない。一曲の中で5%は個人の本当のオリジナル。95%は伝統。自分は5%のおもしろい部分に興味がある。
坂本龍一