非常に頼もしい人だと信じていた九つ上の夫のことを、実際は頼りないと感じるようになって、若い男と恋愛して、四歳になる娘を置いて婚家を出奔しました。正式に離婚が成立したのは二十八歳のときです。もちろん、若い男との間も続かない。私が家を出たことを、人は大変なことをしでかしたみたいに言いますが、終戦の後ではおとなしくて貞淑だと思われてた女性が、あっちでもこっちでも家を出て行ってたんですよ。それまで辛抱していた女性が、反乱を起こした。国が全部ひっくり返ったときは、そういうことが起きます。

瀬戸内寂聴     小説家、僧侶

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