八十歳なのにみっともないとか、九十歳なのに恥ずかしいという意識は、みんな頭にはあるんですよね。だけど、人間というのは、死ぬまで、二十歳ぐらいのときの気持ちが続いています。嫉妬とか、欲望とか、そういうものも。それを習慣によって、努めて見まい、行うまいとしているから、表向きは出てこないですけどね。心の中は、みんなそうじゃないかとこの頃思います。人間には、死ぬときまで、何か恥ずかしくて人に言えないような気持ちがあるんじゃないかしら。
瀬戸内寂聴 小説家、僧侶
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人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている。
伊集院静 小説家、作詞家
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人生はね、君達が思っているほど、長くないかもしれない。だから、今を思いっきり生きていこいうね。
長渕剛 シンガーソングライター、俳優
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どこで誰が見てるかわからないんだからしっかりしなさいとは私の母は一度も言わなかった。おかげで私は自分の行く先を自分の基準で決める、自分の人生を生きる事ができている。
為末大 陸上選手、世界陸上400mハードル銅メダリスト
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人間というのはいつも、志を高く持って生きていかなければいけないんだなということが、だんだんわかってきたように思います。
黒柳徹子 司会者、女優、作家
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鳥のように、自由に空を飛べたら、魚のように泳げたら、なんて思わない。自由を楽しむ生き物などいない。生きて行く事は、つらく、悲しく、目的も分からないものだ。
北野武(ビートたけし) お笑い芸人、映画監督
瀬戸内寂聴の他の名言
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人間はいつも無いものねだりなのです。そして心はいつも満たされない思いで、ぎしぎし音を立てています。欲望はほどほどに抑えましょう。
瀬戸内寂聴
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夜の熟睡を死んだように眠るとたとえるのは、適切な表現かもしれません。人は夜、眠りの中に死んで、朝目を覚ます時は死から甦るのだと考えられるからです。「日々これ新たなり」ですね。
瀬戸内寂聴
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人間に与えられた恩寵に「忘却」がある。これは同時に劫罰でもあるのですが。たとえ恋人が死んでも、七回忌を迎える頃には笑っているはず。忘れなければ生きていけない。
瀬戸内寂聴
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私は、全ての苦労を喜びに変えてからこなします。それが一番の健康法と美容法です。ストレスがたまらなくなりますよ。
瀬戸内寂聴
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老いも死も、人間として生まれたら当然通らなければならないもの。年を取らない人間なんていたら気持ちが悪いでしょう。死なない人間なんかいたらもっと気持ちが悪いですよね。だから、人間は老いるために生まれて、死ぬために生きてるんです。
瀬戸内寂聴
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人生にはいろいろなことがあります。しかし、悲しいことは忘れ、辛いことはじっと耐え忍んでいきましょう。それがこの四苦八苦の世を生きる唯一の方法ではないかと思います。
瀬戸内寂聴
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60歳ぐらいのころ、ちょっと心臓の存在を感じるようになって、東京で3本指に入るという心臓のお医者さんに診てもらったことがあります。お医者さんが、「講演旅行などとんでもない。年寄りらしく庭で草むしりでもしてなさい」とおっしゃるので、「どうせ心臓が悪くて死ぬのなら、もっと仕事をしてやれ」と思って、仕事を倍に増やしたことがありました。そうしたら、私は死ななかったのに、そのお医者さんが亡くなってしまいました。
瀬戸内寂聴
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30代半ばで「花芯」という小説を出した時、ポルノ小説だと言われて本当にひどいいじめに遭いました。私も若気の至りで、「そんなことを言う批評家はインポテンツで、女房は不感症だろう」なんて言ってしまったから、袋だたきに遭って。結局、文芸誌から5年間、締め出されてしまった。でも、そんなときも負けてなるものかと思ったわね。
瀬戸内寂聴
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病気は神さまの与えてくださった休暇だと思って、ありがたく休養するのが一番いい。
瀬戸内寂聴