原晋
陸上指導者
原晋の名言
原晋の過去の名言をまとめた名言集です。
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私の理想は、監督が指示を出さなくても部員それぞれがやるべきことを考えて、実行できるチームです。つまり、指示待ち集団ではなく、考える集団。言葉にするのは簡単ですが、考える集団をつくるには、土壌づくりと同様に時間が必要です。私が最初に取り組んだのは、「相談できる人」に育てることです。相談するとはどういうことかを部員に教えることから始めました。
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お互いにコミュニケーションをとるというところが大事で、一方的に私が「うちの部なら優勝できるから、ぜひ来なさい」とは言いません。お互いがどういう人間かを知り、納得して入部しないと結局は伸び悩むんです。これは企業の採用でも同じだと思います。
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しっかりと自分の軸を持って本物を追求すれば、いつか周りが認めてくれる。本物だけが、勝ち続けられる。
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成果を得るにはまず基礎を身に付ける必要がある。陸上競技にとって、規則正しい生活は、数学でいえば四則計算のようなもの。
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就任した当初は怒ったこともありましたけど、今は怒るよりも諭すことが多くなりました。チーム全体を俯瞰で見ているのは監督ですから、感情的に怒るよりも言葉でじっくり諭したほうが部員の心に響くものです。
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陸上選手は、これまで「黙々と走れ」という指導を受けてきました。そのため、辛抱強く一つのことをやるのには向いていますが、横のつながりを築いて、他人とコミュニケーションを図っていくのが上手ではない。そこで「目標ミーティング」というものを取り入れました。各選手に個人目標を立てさせた上で、控え選手なども交えたグループでそれぞれの目標について話し合い、他者の客観的な評価を受けることで達成可能な目標に仕上げていきます。
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私は実業団時代に選手として、存在価値を認めてもらえなかった。その悔しさをバネに、原という男に仕事をさせたら、ちゃんとやると証明したかった。
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お互いの考えや意見を直接言い合うことで変な誤解も生まれず、お互いの納得感も高まります。その上で、その選手のために適切な練習方法を判断するのは指導者の役割だと考えています。
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その数字にたどり着けないとき、阻害要因がある場合には、なぜそれが起こるのか、いつになったら乗り越えられるのかを伝えますね。それらを伝えるのが管理職の役割だと思います。
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今の若い子は私たちの世代より頭がいいので、監督が「教えてやる」という態度は通用しません。いくらでも情報を得られる世代ですからね。たとえば私がサッカーの指導者で、古典的な戦術を教えても、選手たちはネットで欧州のリーグで使われている最新の戦術を調べられます。監督の仕事は教えるのではなく、選手の意識づけ、動機づけを行うことなのです。
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僕の思いだけで「優勝できるぞ」と言うのは半分嘘になってしまう。客観的なデータ、裏付けみたいなものがある程度優勝の領域に入ってきて、チーム内の雰囲気やベクトルが、部員が50人いたら50人のベクトルがトップの方に向かっている状態になっているか、です。さらにそれを押し上げるのが監督の仕事なんですよね。だからデータがある一定のラインを越えたら「優勝の可能性はゼロじゃないな」って思えるのはありますよ。
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どうすれば夢が実現するか?できる理屈を積み上げていく、その繰り返しですね。
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「こんな練習をしたい」と提案してきた選手に、ハナから「そんな練習はダメだ」と言ってしまえば、もう二度と自分から提案することはないでしょう。私自身、自分の情報だけで指導していては、私のキャパシティ以上の組織にはならないと思っています。だから、選手からの提案はよく聞き、「なるほど、そうだよね」とまずは肯定するようにしています。それから、「でもね、これこれこういう理由で、半年ぐらい様子を見てから始めたほうがいいと思うけれど、どう思う?」といったやり取りをします。
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古い常識を打ち破り、強いチームを作るコツは同じベクトルを共有すること。私の指導方針の柱の一つが「考える集団を作る」こと。指導者が提示する目標や練習メニューに従わせるのではなく、選手自身が個人とチームの目標を設定し、やるべきことを決め、グループで話し合う。ベクトルを共有し「強くなるために、何をするべきか」を自ら考え、取り組めるようになれば、結果はおのずとついてくる。
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私は営業マン時代にいろいろな会社を訪問する機会があり、それらの会社が掲げる社訓をたくさん見てきました。学んだのは、「長いのはダメ」ということです。長い社訓は、理解するのにも覚えるのにも時間がかかります。それでは結局、浸透しない。そう思い、様々なフレーズを考える際には、短くわかりやすくすることを心がけています。
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数字の目標も大切なのですが、それと同時に、哲学的な目標というか、目標の意義が不可欠。
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小さな目標を立て、スモールステップで進んでいった方が、その都度、達成感を得ることができ、楽しく続けやすい。
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選手自ら「ああしたい」「こうしたい」と発信することで自立心が生まれ、壁にぶちあたっても「できる理屈」で解決できるようになる。
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大きな目標を設定し、スケジュールの要所に小さなゴールを設けながら、クリアできるか自分でチェックしていく。その繰り返しで自信がつき、自分で考えて行動できるようになる。
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陸上界は欲を我慢して、負に耐えるという手法をつかって長距離をやってきました。なにが苦しいんですか。走ることが競技の種目であって、それを苦しいという発想がおかしいでしょ。好きで陸上部に入って、何で評価されるかっていうと、走ることしかないんですよ。じゃあそれって楽しまないと損でしょ?
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陸上競技は、成績が数値としてはっきり表れるので、基本的にはそのデータがスカウトの基準になります。それに加えて、「青山学院大学らしいカラーの選手」を採用するようにしています。 青山学院大学らしいカラーの選手とは、例えば、表現力が豊かで、自分の言葉で会話ができて、しっかりと勉強する人。そして、努力を惜しまない人です。青山学院大学では、陸上競技部の選手だからといって単位が免除されるわけではありません。勉強がいやで、講義に出なくなると単位も取れませんし、それがストレスになって陸上に真剣に向き合えないのでは困るのです。ビジネスにおいても、その組織のカラーを意識して人を採用することは重要ではないでしょうか。
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陸上競技の場合、1番がいれば50番もいます。50番の選手がやはり50番のままでも、自己ベストを出せば必ず褒めます。そして、どう努力をすれば次の結果につながるかを一緒に考え、ヒントを与えています。選手として芽が出なくても、マネージャーとして活躍する選手が現れたり、故障で苦しみ、大会に出場できるかできないかの瀬戸際で、自分が選ばれたい気持ちをグッと我慢して、チームが勝つために辞退を申し出る選手もいます。そんな選手たちと向き合うたび、本当は出してやりたい思いで胸が熱くなりますけどね。
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できないという目標はただの妄想。
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レースで1分1秒を気にするのに私生活で1秒を無駄にするのはおかしい。
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私は一方的に牛耳って支配して部をまとめているのではなくって、ある程度のポイントを伝えてつなげていかないといけないんですよね。ということはある程度頭の回転が良くないといけない、あるいは考える能力がないと青山学院では成長しないですよね。
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できる理屈で、できることをやらせて、半歩が何回も行くと10歩も20歩も30歩も先に行っている。
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個別練習を週に3回取ることで毎回異なる状況下で走る。陸上選手にとっては自ら考え戦略を練ることが可能になる。
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毎月、6人前後のチームをつくり、一人ひとりが自分の目標を発表します。そしてその目標について、「低すぎじゃないか」とか、「こうしたほうがいい」「こんなやり方もある」などといった議論を行ないます。また、前月の目標に対しての結果も発表し、反省会も行ないます。すると、「なぜ達成できなかったのか」「どうすれば達成できたのか」をみんなで考えることになり、さらに目標の設定が上手になります。
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ときには業界の常識を疑うことも必要。選手時代、やみくもにグラウンドを走っている選手が「練習熱心」「真面目」と賞賛され、私のように「今日は疲れがピークに来ているから、早めに切り上げよう」といった思考を持つ人間は、「要領のいいヤツ」といった烙印を押されたものですが、いまだに気合と根性論の練習法がまかり通っている。でも、練習の目的を理解しないまま、ダラダラと長時間走っても、結果を出せるわけがない。これはビジネスも同じ。
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スポーツでもビジネスでも、できもしない努力目標は、ただの掛け声のようなものにすぎません。将来の大きなビジョンはそこへ至る筋道があってこそ、実現することが可能となる。
原晋の名言を見ている方へお薦めする名言
原晋の残した名言を分析し、それらの名言の傾向に近い名言を厳選して紹介します。
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仲間に問題点を示し、同時にその解決策を示せば、皆行動に移るのです。
ビル・ゲイツ マイクロソフト創業者
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企業が困難に直面するのは、いつでもその企業自身に原因があります。もちろん経済環境も無関係ではありませんが、問題の根源は常に企業自身にあるのです。日産の業績が傾いたのは日本の景気後退のせいでも、競争相手が強すぎたからでもありません。その原因は社内にあったのです。企業を弱体化させる因子は、必ずといっていいほど内部の構造にあります。
カルロス・ゴーン 元日産自動車CEO
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怖いのは「小義」に惑わされて「大義」を見失うことです。人間は誰しも他人から悪く思われたくないという私心を持っています。とりわけ、プロ野球選手は年俸で生活していますから、試合に出てナンボ、打ってナンボの世界です。その生殺与奪を監督は一手に握っているわけですから「一回くらいはチャンスをあげよう」「たまには大目に見よう」という気持ちも出てきます。しかし、その甘さが勝ち星を逃がす失敗につながるのです。
川上哲治 プロ野球選手、監督
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徹底して考え抜いた末に生まれる「独創性」と、最後までやりぬく「粘り」を持つこと。この両輪なくして、大きな夢を実現させることはできない。
中村修二 青色発光ダイオードの発明者、カリフォルニア大学教授
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私も間違いを犯したことはあります。ただ、幸運な事に、そのすぐ後に失敗を取り戻す成功を収めてきました。
ウォルト・ディズニー 実業家、アニメーター
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「原則としては賛成だ」と誰かが言う時、その人はそれを実行しようする意思を微塵も持っていない。
オットー・フォン・ビスマルク プロイセン王国首相、ドイツ帝国首相
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大事なのは、ゴールのテープを切ることであって、ゴールまでの交通手段はクルマだろうが、自転車だろうが、徒歩だろうが何だっていいんです。まわりの人間は「この道は狭いからクルマは使わない方がいいよ」とアドバイスしてくれているのに、クルマにこだわっていると、絶対にゴールにはたどり着けません。だから、自分の目的に向かってさえいれば、途中の目標は臨機応変に変えてもいいんです。
つんく ミュージシャン、音楽プロデューサー
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ヒットを打ちたい、リーディングヒッターになりたいと焦っているうちは、球が見えない。欲に目がくらんで。
川上哲治 プロ野球選手、監督
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自分にできること、あるいは夢に思い描いていることは、すべて実行に移すことだ。大胆であれば、非凡な能力と不思議な力を発揮できる。
ゲーテ 詩人、劇作家、小説家
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毎年のことですが、4月の難しさはスプリングトレーニングから自分がやってきたことが正解かどうか、わかりにくいことです。結果が出ていることで正解と判断しても、実際には不正解ということもあります。そしてそれに気づくことができるのは、ずっと時間が経ってからです。
イチロー プロ野球選手、メジャーリーガー
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会議を重ねすぎると、いつの時代にも起こったことが起こる。すなわち、ついには最悪の策が採られるということである。
ナポレオン フランス皇帝
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通販は安っぽいという従来のイメージを覆し、ECにセレクトショップの格好よさを持ち込んだことがスタート時点の勝因だと思います。その後、テレビやWEBを使った積極的なプロモーションで一気にメジャー化しました。しかもゾゾタウンは、規模が拡大しても格好よさを保つため、取り扱う商品の選別に気を使っています。その点では何でもありな楽天などとは違いますね。
前澤友作 ZOZO創業者
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勝負の鉄則に「無駄な考えや無駄な行動を省く」ということがあります。考えてもしょうがないことを考えてもしょうがない。負けたらどうしよう。負けてから考えろ。ミスしたらどうしよう。ミスしてから考えたらいい。できることは足元にある。それをやらないと、目標なんか達成できない。
岡田武史 サッカー監督、元サッカー選手
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意味のない自己顕示欲や、思い上がりは捨てた方がいい。結局のところ、最終的に成功するのは、謙虚に学べる人なのだ。
三木谷浩史 楽天創業者
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無欲は美徳ではなく、むしろ人を怠け者にする。
渋沢栄一 実業家、官僚
原晋について
原晋は日本の陸上指導者。青学大陸上部の駅伝チームを率い、箱根駅伝本選へ33年ぶりに出場させたのち優勝に導いた。箱根駅伝優勝後、テレビなどでその指導法が特集されて一気に知名度を得て、バラエティ番組への出演、スポーツ解説、ワイドショーのコメンテーターなどでのメディア露出が一気に増えた。箱根駅伝では総合4連覇を達成している。
1967年(昭和42年)3月8日広島県三原市に生まれる。中学校で陸上部に入り、長距離走を始める。高校は世羅高等学校に進み、3年生のときに主将となり全国高校駅伝競走で総合2位。中京大学では日本インカレ5000メートルで3位となる。原晋は大学卒業後、陸上部のなかった中国電力に入社。入社後、陸上部の創設に関わり、1993年には主将として全日本実業団駅伝に初出場するまでになった。しかしならが、1995年怪我により27歳で陸上を引退。引退後は中国電力の従業員として働いた。
2004年知人からの誘いを受け、36歳で青山学院大学の陸上競技部監督に就任。紆余曲折の末2009年の箱根駅伝で駅伝チームを33年ぶりの箱根駅伝出場に導いた。翌2010年の箱根駅伝では41年ぶりにシード権を獲得。2015年往路・復路共にトップでゴールインし、青山学院大学初の箱根駅伝総合優勝を達成。初優勝時のテレビ出演で原晋が語った指導方針、指導哲学などが注目を集め、コメンテーターとしての出演が増加、さらにバラエティ番組のゲストとしても多数出演するようになる。これに対して「テレビにばかり出ている」、「しっかり指導をしているのか」などの批判の声もあった。しかしながら、青山学院大学は2015年から2018年まで箱根駅伝で総合4連覇を達成。原晋は批判の声をかき消して見せた。