井上靖

作家

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井上靖の名言

井上靖の過去の名言をまとめた名言集です。

  • 人間というものは、自分が恩恵を受けたたくさんのことを、それを思い出そうとしないと思い出さないものである。

  • 人生は使い方によっては十分長いものであり、十分尊いものであり、十分美しいものである。

  • 報われるというようなことはその人の持つ運であって、世の中には立派な仕事をして報われない人はたくさんいるはずである。人間の生き方というものは、おそらくそうしたこととは全く関係ないことであろう。

  • 幸福は求めない方がいい。求めない眼に、求めない心に、求めない体に、求めない日々に、人間の幸福はあるようだ。

  • 人間はだれでも、自分を一生を成功だとは考えないまでも、失敗だとは思いたくないものですよ。

  • 一生のうちに何篇かの立派な詩が書けたら、その人は立派な詩人であるに違いない。

  • 人間の苦しみなんて大したものじゃあないよ。十日も気持ちがやられていることはめったにあるまい。どんなに大きい打撃でも一五日さ。半月で峠を越す。

  • どんな幸運な人間でも、一度は死にたいほど悲しくて辛いことがある。

  • 仕事や努力が適正に評価され報われるというようなことは、その人その人の持つ運であって、世の中には立派な仕事をしても報われない人は沢山いるはずである。人間の生き方というものは、おそらくそうしたこととは全く無関係なものであろう。

  • 百万の富を抱いても、一生涯に少ししか費わなかったら、これは問題なく貧乏人です。

  • 人生がたった一年しか残されていないんなら、おれは本当に妥協なく生きてみたい。本当に会いたい人に会いたい。本当に話したい人と話したい。本当にやりたいことをやりたい。本当に行きたいと思うところへ行きたい。本当に見たいと思うものを見たい。一体、自分はこれまで何をしていただろう。

  • 結婚して何年かすると、みんな相手が古ぼけて見えて来るものだ。なぜ、自分はこんな相手と結婚したんだろうと。

  • 借金しようが、泥棒しようが、一生涯にたくさん金をつかっちまった奴が、やはり金持ちと呼ばれるべきでしょう。

  • 愛とは自分の相手に対するものだ。問題は、それをきびしく守るかどうかということだ。

  • 人間何をしてもいいが、あまり自分を不幸にしてはいけない。

  • どうやら幸福というものは、ひどく平凡なことの中にある。静かな眼、おだやかな心、健やかな体、平穏な日々、そうした状態以外の何ものでもないらしい。

  • 愛が信じられないなら、愛なしで生きてごらん。世の中が信じられないなら、世の中を信じないで生きてごらん。人間が信じられないなら、人間を信じないで生きてごらん。生きるということは恐らく、そうしたこととは別ですよ。

  • 努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る

    出典:  井上靖「氷壁」

  • 一生の仕事が無駄になった人が世の中にはたくさんいる。私たちの今日の文化は、そういう「尊い犠牲」の上に成り立っている。

  • 克己することだ。非常に難しいが、人間が他の動物と違うところは、誘惑や欲望と闘って自分に打ち克つことができるという点だ。勉強するも克己、仕事をするのも克己、みな克己だ。

  • 結婚ということは、本来一種の当てものみたいなものです。充分調べて、これならいいと思って行ってもうまくいかないこともあれば、不承不承で結婚したのがうまく行く場合もある。

  • 友情というものは、お互いに相手に対する尊敬と親愛の念の絶えざる持続がなければならぬものである。

  • 幼い者の世界には、大人の世界よりも、もっと重大な、しかも本質的意味を具えた事件がたくさん起こっている。

  • 父に世話になろうがなるまいが、たとえ小さい時棄てられたとしても、それでもなお、子供は父というものにかばわれているのである。

  • 人間のやることに結末などはつけられないのだ。いつだって、中途半端なのだ。しかし、それでいいではないか。そもそも結末をつけようというのが、おこがましい限りだ。

  • 人生というものは、本当は金ではないと思うんですよ。しかし、金という目標を設けておくと、恐らく生き易いですね。

  • これから何年、何十年生きても、おそらく人生というものなど解りっこないに違いない。ただ、そうした解らない人生というものの終局点に立ったとき、人生を肯定する立場に立っていたい。

  • 人生は所詮の一語に尽きる。

  • 本当のことを平気で言える相手もなかったとしたら、お前はこれまでの長い一生を、何のために生きて来たか判らないことになる。

  • 「養之如春」──何事であれ、もの事を為すには、春の陽光が植物を育てるように為すべきだという意味である。「これを養う」の「これ」には何を当てはめてもいい。子供を育てることも、愛情を育てることも、仕事を完成することも、病気を癒すことも、みな確かに、あせらず、時間をかけてゆっくりと、春の光が植物を育てる、その育て方に学ぶべきなのである。

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井上靖について

井上靖は毎日新聞社に勤務する傍ら小説を執筆し、「闘牛」で芥川賞を受賞した小説家。毎日新聞を退職後は主に新聞紙上で連載小説を発表。代表作に「闘牛」、「あすなろ物語」、「風林火山」、「氷壁」、「天平の甍」、「敦煌」など。日本芸術院会員・日本ペンクラブ会長・日中文化交流協会会長。1976年(昭和51年)文化勲章受賞

1936年(明治40年)北海道旭川市に生まれた。井上家は代々続く医者の家系で、井上靖の父も軍医だった。生誕の翌年に父が韓国に従軍したため母の故郷である静岡県伊豆市に転居。1930年(昭和5年)九州帝国大学文学部に入学したが、福田正夫主宰の同人誌「焔」に参加するために上京。1932年(昭和7年)京都帝国大学哲学科に入学する。京大在学中に井上靖は同人誌「聖餐」を発刊。大学卒業後の1936年(明治14年)「サンデー毎日」の小説懸賞に「流転」が入選した縁で毎日新聞に入社し、学芸部に配属。1950年(昭和25年)「闘牛」で第22回芥川賞受賞。翌年、井上靖は毎日新聞を退社し、執筆活動に専念する。退職後は「あした来る人」、「氷壁」などの新聞小説に加え、「風林火山」、「真田軍記」、「淀どの日記」などの日本の歴史小説、「敦煌」、「楼蘭」、「蒼き狼」といった中国やモンゴルなど題材にした歴史小説などへも創作の幅を広げていった。1964年(昭和39年)から日本芸術院会員。1976年(昭和51年)文化勲章受章。1981年(昭和56)年から5年間日本ペンクラブ会長。1991年(平成3年)井上靖は急性肺炎のため死去。享年83歳。