遠藤周作

小説家

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遠藤周作の名言

遠藤周作の過去の名言をまとめた名言集です。

  • 人間はみんなが美しくて強い存在だとは限らないよ。生まれつき臆病な人もいる。弱い性格の人もいる。メソメソした心の持ち主もいる。けれどもね、そんな弱い、臆病な男が自分の弱さを背負いながら一生懸命美しく生きようとするのは立派だよ。

  • どうせ人生の本質は辛く人間は孤独なぐらい百も承知している。だからそれだけ余計に明るく楽しく振る舞おうという決心を私はこの十年間に持ち続け更にその気持を強くしている。

  • 戦後の日本人はいつの間にか、働くことと利を得ることを一緒にして利を得るためにだけ働くようになった。利がすべての目的に変わった。利のためにほかのものを多少は犠牲にしていいという風潮が社会を支配した。

  • 人生が愉快で楽しいなら、人生には愛はいりません。人生が辛く、みにくいからこそ、人生を捨てずにこれを生きようとするのが人生への愛です。だから自殺は愛の欠如だと言えます。

  • 魅力あるもの、キレイな花に心を惹かれるのは、誰でもできる。だけど、色あせたものを捨てないのは努力がいる。色のあせるとき、本当の愛情が生まれる。

  • 敵も味方も自分らが正しいと思えばこそ戦が起るのだ。

  • 自分が弱虫であり、その弱さは芯の芯まで自分に付きまとっているのだ、という事実を認めることから、他人を見、社会を見、文学を読み、人生を考えることができる。

  • 誰かを愛するということは、その人を「信じよう」とする意志にほかならない。もしくは信じる賭けをなすことにほかならない。

  • ある生死を決める法律規則が定まっているならば、人は、自分の運命をその法律、規則に順応させて救うことができる。しかし、偶然だけには、どうにも、立ち向かうことはできぬ。

  • 権力は肉体を奪えても自由は奪えない。

  • 生活と人生はちがいます。生活でものを言うのは社会に同調するためのマスクです。また社会的な道徳です。しかし人生ではこのマスクで抑えつけたものが中心となるのです。

  • 人間にとって一番辛いものは貧しさや病気ではなく、それら貧しさや病気が生む孤独と絶望のほうだ。

  • 黄昏の砂漠は歩きづらいが、振り返ると波打ちぎわに自分の足跡が、自分だけの足跡が、一つ一つ残っている。アスファルトの道は歩きやすいが、そこに足跡など残りはしない。

  • どうせ人生の本質はつらく人間は孤独なぐらい百も承知している。だからそれだけ余計に明るく楽しく振舞おうという決心を、私はこの十年間に持ち続け更にその気持ちを強くしている。

  • 一人の人間の人生には決定的な転換が与えられる時期と、瞬間がある。それはある者には緩慢に訪れるが、別の者には突如としてやってくるのだ。

  • 歯車であることは自分の意志を棄てることである。

  • 人間生活にはムダなものがかなりあるが、そのムダなもののために情緒が生まれ、うるおいができ、人の心がなごむようなものがある。

  • 人間の野心はあさましい。野心は人間をあさましくする。

  • 自分の一番愛しているもの、自分が一番うつくしいものを汚すことに悦びを感ずるものはいない。悦びがあったとしてもそれは倒錯的な悦びである。

  • 仕事とは誇りだ。誇りを失って儲けるのはおのれの仕事への尊重を失うことだ。

  • 今の若い世代にもっとも欠けているのは「屈辱感に耐える」訓練である。この訓練が行われないで、そのまま社会から大人あつかいにされると、おのれのすること、なすことはすべて正しいと思うようになる。

  • 人間の一生には一度はまたとない好機が来る

    出典:  遠藤周作「鉄の首枷」

  • 愛の第一原則は「捨てぬこと」です。人生が愉快で楽しいなら、人生には愛はいりません。人生が辛く、みにくいからこそ、人生を捨てずにこれを生きようとするのが人生への愛です。だから自殺は愛の欠如だと言えます。

  • 人生にはその昔、何気なく耳にしたり本で読んだ話が、突然、切実に蘇ってくることがあるものだ。

  • 我々がいつまでたってもウロウロしているのは、チャンスがないためではなく、チャンスをうまく生かさぬためだろう。

  • 人間がもし孤独を楽しむ演技をしなければ、率直におのれの内面と向き合うならば、その心は必ず、ある存在を求めているのだ。愛に絶望した人間は愛を裏切らぬ存在を求め、自分の悲しみを理解してくれることに望みを失った者は、真の理解者を心のどこかで探しているのだ。

  • 火山というものは人間の人生と同じだよ。若い頃は情熱にまかせて火を吹く。溶岩を吐き出す。だが年が老いると昔の暗い罪を背負いながらこんなに静まり返るんだからな。

  • 人生の意味が初めからわかっていては、我々は生き甲斐もない。人生の意味がなかなかわからぬから、我々は生きる甲斐もあるのだ。

  • 人間には、どんなに努力しても成ることと成らぬことがある。

  • 恨みと哀しみとは往々にして復讐の気持に変るものだ。

遠藤周作の名言を見ている方へお薦めする名言

遠藤周作の残した名言を分析し、それらの名言の傾向に近い名言を厳選して紹介します。

遠藤周作について

遠藤周作は昭和から平成にわたって長く活躍した小説家。キリスト教徒であり、キリスト教をテーマにした小説を多く書き、聖書の解説本も出版している。代表作に「白い人」、「海と毒薬」、「沈黙」、「キリストの誕生」、「侍」、「深い河」など。

1923年(大正12年)現在の東京都豊島区生まれ。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学文学部在学中から、カトリックや文学についての評論を執筆。大学卒業後、遠藤周作は約2年半のフランス留学に出るが、体調を崩して帰国。帰国後は専修学校・文化学院の講師として勤め、その後専業作家に転向する。1955年遠藤周作が32歳のとき小説「白い人」を発表するとこれが芥川賞を受賞。続く「海と毒薬」も高い評価を得て、文壇での地位を確立すると1959年には初めてのキリシタン小説「「最後の殉教者」を発表。

1960年結核を発症し翌年には3度の手術を受けた。1963年遠藤周作は闘病生活から復帰し小説「わたしが・棄てた・女」を発表。1966年日本で禁教とされていたキリスト教の布教に訪れた司祭を描く「沈黙」を発表し、谷崎潤一郎賞を受賞。以降、遠藤周作は「キリストの誕生」、「侍」、「深い河」などを発表。1977年から遠藤周作は芥川賞の選考委員も務めた。1996年肺炎のため死去。享年73歳。