村上春樹

小説家

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村上春樹の名言

村上春樹の過去の名言をまとめた名言集です。

  • 誰をも抜かないし、誰にも抜かれない。しかしそれでも我々はそんな回転木馬の上で仮想の敵に向けて熾烈なデッド・ヒートをくりひろげているように見える。

  • 書くという仕事は毎日、10円玉を貯金箱に積み立てていくようなこと。

  • 身体を鍛えていることもそうですけど、僕にとっての翻訳って、いまよりほんのちょっとでもよい小説を書くために続けてきたものなんです。

  • 日本語には無情という言葉があります。この世に生まれたあらゆるものはやがて消滅し、全てはとどまる事なく形を変え続ける。永遠の安定とか不変、不滅のものなどどこにもないということです。これは仏教からきた世界観ですが、この無情という考え方は宗教とは少し別の脈絡で日本人の精神性に強く焼き付けられ、古代からほとんど変わることなく引き継がれてきました。全てはただ過ぎ去っていくという視点は言わばあきらめの世界観です。人が自然の流れに逆らっても無駄だということにもなります。しかし、日本人はそのようなあきらめの中にむしろ積極的に意義のあり方を見出してきました。

  • 完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

  • 小説家が嘘を言っても非道徳的と批判されることはありません。それどころか、その嘘が大きければ大きいほど、うまい嘘であればいっそう、一般市民や批評家からの称賛が大きくなります。

  • 私が小説を書く目的はただ一つです。個々の精神が持つ威厳さを表出し、それに光を当てることです。

  • 僕がエルサレム賞を受賞した際も、インターネットで反発が盛り上がったようだ。でもそれは僕が受賞するか拒否するかという白か黒かの二元論でしかなく、現地に行って何ができるかと一歩つっこんだところで議論されることはほとんどなかった。

  • 私たちがまともな点は、自分たちがまともじゃないって、わかっていることよね。

  • 死は生の対極存在なんかではない。死は僕という存在の中に本来的にすでに含まれているのだし、その事実はどれだけ努力しても忘れ去ることができるものではないのだ。

  • 世の中のほとんどの人は自由なんて求めてはいないんだ。求めていると思いこんでいるだけだ。すべては幻想だ。

  • 退屈さの中に、固有の意味を見いだしていくことになります。意味というのは、一種の痛み止めなのです。

  • 資格というのは、あなたがこれから作っていくものよ。

  • あなたの人生が退屈なんじゃなくて、退屈な人生を求めているのがあなたじゃないかってね。

  • 彼女の求めているのは僕の腕ではなく誰かの腕なのだ。彼女の求めているのは僕の温もりではなく誰かの温もりなのだ。

  • 僕らは収支決算表を睨んで生きているわけじゃない。もし君が僕を今必要としているなら僕を使えばいいんだ。

  • 時々、泣くことができれば楽になれるんだろうなと思えるときもあった。でも何のために泣けばいいのかがわからなかった。誰のために泣けばいいのかがわからなかった。他人のために泣くには僕はあまりにも身勝手な人間にすぎたし、自分のために泣くにはもう年を取りすぎていた。

  • 心というものはただそこにあるものなんだ。風と同じさ。君はその動きを感じるだけでいいんだ。

  • 僕はずっと小説を書いているけれど、ものを書く上でも、感情の記憶ってすごく大事だ。たとえ年をとっても、そういうみずみずしい原風景を心の中に残している人は、体内の暖炉に火を保っているのと同じで、それほど寒々しくは老け込まないものだ。

  • たぶんいろんな感情をもっともっと外に出した方がいいんだと思うね、君も僕も。だからもし誰かにそういう感情をぶっつけたいんなら、僕にぶっつければいい。そうすればもっとお互いを理解できる。

  • 誰にも進化を選り好みすることはできん。それは洪水とか雪崩とか地震とかに類することです。やってくるまではわからんし、やってきてからでは抗いようがない。

  • 百のうち九十までは、自分では実際に体験したことのないことです。僕自身の実際の人生は、かなり退屈で、物静かなものです。しかし、どのようなささやかな、日常的なことからでも、大きな、深いドラマを引き出していくのは、作家の仕事であると思います。

  • この世界において、退屈でないものには人はすぐ飽きるし、飽きないものはだいたいにおいて退屈なものだ。

  • 目に見えるものが、ほんとうのものとは限らない。

  • 私が小説を書く理由は一つだけです。個人的存在の尊厳を表に引き上げ、光を当てる事です。

  • 2003年にサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を新訳してから、2006年には「グレート・ギャツビー」、2007年には「ロング・グッドバイ」、2008年には「ティファニーで朝食を」と古典の新訳を続けています。どれも、僕が10代に読んで好きだった本です。10代の読書というのは、すごく残るんですよね。それが、僕自身でも小説を書くときの滋養になってきました。

  • これはどんな分野でもそうだと思いますけど、これはすごい、と自分が本当に100%認められる実例がちゃんと存在していると思えることは素晴らしいことですよ。それはちょうどギャツビーにとっての沖合の緑色の灯火のようなものですね。僕にとっては、それが新訳を手掛けたこれらの小説なんです。

  • 非常に簡単な言葉で、非常に複雑な物語を語りたい。

  • 君はじっさいにそいつをくぐり抜けることになる。そのはげしい砂嵐を。形而上的で象徴的な砂嵐を。でも形而上的であり象徴的でありながら、同時にそいつは千の剃刀のようにするどく生身を切り裂くんだ。何人もの人たちがそこで血を流し、君自身もまた血を流すだろう。その砂嵐が終わったとき、どうやってそいつをくぐり抜けて生きのびることができたのか、君にはよく理解できないはずだ。いやほんとうにそいつが去ってしまったのかどうかも確かじゃないはずだ。でもひとつだけはっきりしていることがある。その嵐から出てきた君は、そこに足を踏みいれたときの君じゃないっていうことだ。そう、それが砂嵐というものの意味なんだ。

  • 女というのはまるで鮭みたいだ。なんのかのと言ったって、みんな必ず同じ場所に戻りつくのだ。

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村上春樹について

村上春樹は日本の小説家、エッセイスト、翻訳家。早稲田大学第一文学部演劇科卒業後「風の歌を聴け」で小説家デビューし群像新人賞受賞。1987年に発売した「ノルウェイの森」が上・下巻合わせて400万部を超える大ベストセラーとなる。2006年フランツ・カフカ賞を受賞。同賞は前年、前々年の受賞者がノーベル文学賞を受賞していたことから、日本国内で村上春樹もノーベル文学賞の受賞候補であるとの憶測が広がり、毎年ノーベル賞発表の時期になると、村上春樹がノーベル賞を受賞する可能性があるとの話題が日本国内で持ち上がるようになった。レイモンド・カーバー,スコット・フィッツジェラルドなど,アメリカの現代文学の翻訳も手がけている。代表作に「ノルウェイの森」、「海辺のカフカ」、「1Q84」など。

1949年1月12日京都府京都市に生まれる。1968年早稲田大学第一文学部に入学するが、大学の授業にはあまり行かず、脚本の執筆、レコード屋やジャズ喫茶でのアルバイトに精を出す。1974年、村上春樹は大学在学中にジャズ喫茶の経営を始める。1975年早稲田大学第一文学部演劇科卒業。1979年ジャズ喫茶経営の傍ら執筆した処女小説「風の歌を聴け」を発表すると群像新人文学賞を受賞。さらに1982年の「羊をめぐる冒険」は野間文芸新人賞、1985年「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」は谷崎潤一郎賞を受賞。1987年「ノルウェイの森」は発売後1年で270万部を売る大ヒットとなる。1994年〜1995年には「ねじまき鳥クロニクル」の1部から3部を発表。読売文学賞小説賞を受賞した。 2002「海辺のカフカ」を発表。2006年に村上春樹はフランツ・カフカ賞とフランク・オコナー国際短編賞を受賞し、世界的にも名声が高まっていった。2009年〜2010年「1Q84」のBOOK1〜BOOK3を発売。2017年「騎士団長殺し」発売。独特の文体による喪失感の漂う作風が支持を受け、20世紀後半から21世紀初頭にかけて日本を代表する人気作家となった。