三島由紀夫

小説家、政治活動家

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三島由紀夫の名言

三島由紀夫の過去の名言をまとめた名言集です。

  • 打算のない愛情とよく言いますが、打算のないことを証明するものは、打算を証明するものと同様に、「お金」の他にはありません。打算があってこそ「打算のない行為」もあるのですから、いちばん純粋な「打算のない行為」は打算の中にしかありえないわけです。

  • 政治的スローガンとか、思想とか、さういふ痛くも痒くもないものには、人間は喜んで普遍性と共有性を認めます。毒にも薬にもならない古くさい建築や美術品は、やすやすと人類共有の文化的遺産になります。

  • 忘却の早さと、何事も重大視しない情感の浅さこそ人間の最初の老いの兆しだ。

  • 法律とは、本来ごく少数者のためのものなのだ。ごく少数の異常な純粋、この世の規矩を外れた熱誠、……それを泥棒や痴情の犯罪と全く同じ同等の「悪」へおとしめようとする機構なのだ。

  • 無秩序が文学に愛されるのは、文学そのものが秩序の化身だからだ。

  • 不安こそ、われわれが若さからぬすみうるこよない宝だ。

  • 偽悪者たることは易しく、反抗者たり否定者たることはむしろたやすいが、あらゆる外面的内面的要求に飜弄されず、自身のもつとも蔑視するものに万全を尽くすことは、人間として無意味なことではない。「最高の偽善者」とはさういふことであり、物事が決して簡単につまらなくなつたりしてしまはない人のことである。人間は自由を与へられれば与へられるほど幸福になるとは限らない。

  • 人生は夢なれば、妄想はいよいよ美し。

  • どんな卑俗な犯罪にも、一種の夢想がつきまとつてゐる。

  • 愛は断じて理解ではない。

  • 自殺しようとする人間は往々死を不真面目に考えているようにみられる。否、彼は死を自分の理解しうる幅で割切つってしまうことに熟練するのだ。かかる浅墓さは不真面目とは紙一重の差であらう。しかし紙一重であれ、混同してはならない差別だ。

  • 正しい狂気といふものがあるのだ。

  • 男の世界は思ひやりの世界である。男の社会的な能力とは思ひやりの能力である。

  • 青年の苦悩は、隠されるときもつとも美しい。

  • どんな時代にならうと、権力のもつとも深い実質は若者の筋肉だ。

  • 事件に直面して、直面しながら、理解することは困難である。理解は概ね後から来て、そのときの感動を解析し、さらに演繹して、自分にむかつて説明しようとする。

  • 何を守ればいいんだと。ぼくはね、結局文化だと思うんだ。

  • 傷つきやすい人間ほど、複雑な鎧帷子を身につけるものだ。そして往々この鎧帷子が、自分の肌を傷つけてしまう。

  • 個人が組織を倒す、といふのは善である。

  • 人生が生きるに値しないと考へることは容易いが、それだけにまた、生きるに値しないといふことを考えないでいることは、多少とも鋭敏な感受性を持った人には困難である。

  • 世界が必ず滅びるといふ確信がなかつたら、どうやつて生きてゆくことができるだらう。

  • 精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ。

  • 軽蔑とは、女の男に対する永遠の批評なのであります。

  • 僕はいはゆる美人を見ると、美しいなんて思ったことはありません。ただ欲望を感じるだけです。不美人のほうが美といふ観念からすれば、純粋に美しいのかもしれません。何故って、醜い女なら、欲望なしに見ることができますからね。

  • 五十歳の美女は二十歳の美女には絶対にかなわない。美女と醜女とのひどい階級差は、美男と醜男との階級差とは比べものにならない。

  • 男性は本質を愛し、女性は習慣を愛する。

  • 嫉妬こそ生きる力だ。

  • 寡黙な人間は、寡黙な秘密を持つものである。

  • 論敵同士などといふものは卑小な関係であり、言葉の上の敵味方なんて、女学生の寄宿舎のそねみ合ひと大差がありません。

  • 理想的な「他人」はこの世にはないのだ。滑稽なことだが、屍体にならなければ、人は「親密な他人」になれない。

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