シュンペーター

経済学者

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シュンペーターの名言

シュンペーターの過去の名言をまとめた名言集です。

  • 政治となると、典型的な国民はより低いレベルの思想へと流れていく。自分の興味のある世界の中で容易に認識できる、幼稚な議論や分析を行うのである。

    出典:  シュンペーター「資本主義・社会主義・民主主義」

  • 天才や先駆者は、たいてい専門的知識を学ぶのに長けているわけではなく、特別な想像力を持つわけでもない。彼らが優れている点は彼らの欠点と一致する。

  • 政治家は下手な馬術家のようなものだ。鞍に跨ることに精一杯で、どこへ向かうのか考えられない。

  • 事実として、資本主義経済が変動しないなどということはあり得ない。それはただ確実に成長し続けるという意味ではない、企業によって絶え間なく革新が行われるということである。例えば、新製品の投入、新生産方式の導入、新たな商機の創出といったことが常に起こるのだ。

    出典:  シュンペーター「資本主義・社会主義・民主主義」

  • イノベーションとは、単なる発明ではなく、技術的あるいは組織的に斬新なものを市場に浸透させることである。

  • 悲観的な見解を示すと、楽観的な見解を示すよりも、民衆から博識であるとみなされる。

  • 起業家の役割とは、価値の創出方法を変革し、革命をもたらすことである。それは、発明をすることで、もっと一般的には今まで挑戦されてこなかった手法を用いた新製品で、あるいは今まである製品を新しい手法で生産することよってなされる。具体的には新素材を用いる、新しい販路を開拓する、会社組織を変革するなどである。

    出典:  シュンペーター「資本主義・社会主義・民主主義」

  • 人々はあまりにも多くの計画を立て過ぎており、あまりにも考えなさすぎる。人々は今まで信じてきたこと、またこれから信じたいことについて考え直したり、議論を促されると憤慨する。

  • 成功は直感によってもたらされる。直感は当初は立証できないがのちに真実と証明されるもので、まだ原理が分かっていなくても本質を理解し不要な要素を排除することである。

  • イノベーションこそが資本主義の原動力である。と同時に資本主義はその成功ゆえに必ず失敗する

  • イノベーションは、細かい段階に分けることができない変化である。

  • 私が叙述しようとする思想にはおそらく、またとくに個々の点については、誤りもあるであろう。もし読者がこれによって刺激を受け、この中には「事態に即した何らかの真理がある」という確信を得られるならば、私はそれだけでまったく満足である。

    出典:  シュンペーター「経済発展の理論」

  • 企業家の特徴は、単に新しいことを行ったり、すでに行われてきたことを新たな方法で行うということ。つまりイノベーションだ。

  • 創造的破壊の過程においては、もしそれによる嵐をしのげるのであれば、多くの会社が繁栄し、力強く有用に生き残れるという状況も発生し得る。

    出典:  シュンペーター「資本主義・社会主義・民主主義」

  • 資本主義の本分は創造的破壊である。

  • 発明家はアイデアを生み出し、企業家は「事を行う」。この事というのは、必ずしも科学的に新しい何かを実現することである必要はない。また、アイデアや科学的な原理それ自体は、経済的な実業活動のために重要ではない。

  • 古きものを破壊し、新しきものを創造して、絶えず内部から経済行動を革命化する産業上の突然変異が必要である。

  • 投票用紙は弾丸よりも強力である。

  • 分かりきったことほど学ぶことが多いものはない。

  • 失業率が高い時期は、イノベーションの成果が経済全体に広まっていく時期と一致している。

  • 市場ほど民主的な仕組みはない。

  • 利益とは、変化を起こしたことによってもたらされる支払いのことである。

  • 馬車をいくら並び立てても汽車にはならない。

  • この著作のごときはできるだけ速やかに追い越され、忘れられることを希望するばかりである。

    出典:  シュンペーター「経済発展の理論」

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シュンペーターについて

シュンペーターは、オーストリア・ハンガリー帝国出身で、のちにアメリカでも活躍した20世紀を代表する経済学者の一人。企業活動によるイノベーションこそが経済を発展させる原動力であると主張し、その仕組みを理論的に説明した。経済成長には財政・金融政策による需要の喚起こそが肝要とするジョン・メイナード・ケインズとしばしば対比される。また、「イノベーション」という概念を経済の用語として定義したことでも知られる。

1883年オーストリア・ハンガリー帝国トリーシュ(現在のチェコ共和国・トリーシュ)生まれ。同国のウィーン大学法学部を卒業して法学で博士号も取得した。卒業は経済学の研究の道に進み、1908年「理論経済学の本質と主要内容」を発表。1909年チェルニウツィー大学の経済学部教授に就任。1911年グラーツ大学教授。1912年「経済発展の理論」を発表。「経済発展の理論」でシュンペーターは、経済は経済発展がなく、企業の利潤もない定常状態が本来の状態であるとし、その定常状態を打ち破って経済発展に向かわせるのが企業による創造的破壊、イノベーションであるとの理論を展開した。

経済発展の理論は大きな反響を呼び、シュンペーターの経済学者としての名声も飛躍的に高まった。1913年アメリカのコロンビア大学の客員教授、1919年オーストリア共和国の財務大臣、1925年ボン大学教授に、1932年ハーバード大学教授に就任。1939年には経済発展の理論の延長上で景気循環について説明した「景気循環の理論」を発表。1940年計量経済学会会長、1947年アメリカ経済学会会長、1949年に国際経済学会会長と要職を歴任した。1942年「資本主義・社会主義・民主主義」を発表。「資本主義・社会主義・民主主義」では自身の経済理論をもとに経済が政治のあり方に与える影響を論じた。1950年動脈硬化により死去。享年66歳。死後、シュンペーターの残した遺稿をもとに「経済分析の歴史」が出版された。