ジョン・メイナード・ケインズ

経済学者

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ジョン・メイナード・ケインズの名言

ジョン・メイナード・ケインズの過去の名言をまとめた名言集です。

  • この世で一番難しいのは新しい考えを受け入れることではなく、古い考えを忘れることだ。

    出典:  ジョン・メイナード・ケインズ「雇用・利子および貨幣の一般理論」

  • インフレーションを継続させることで、政府はこっそりと気づかれずに国民の富を接収できる。

  • 資本主義とは、不快な人間が、不快な悪い理由によって起こした行動を、なんとかして全体の利益にしようという並外れた思想だ。

  • 世の中の大多数の人は、常識どおりに動いて失敗するほうが、常識に反して成功するよりましだと考えている。

  • 経済学者や政治理論家の思想は、正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えているより、はるかに強力である。世界を支配しているのは、思想以外にないと言えるほどである。

  • 市場は人々が耐え続けられるよりも長い間、不合理に動き続ける。

  • 人類が政治で抱え込む問題は3つの課題の組み合わせだ。経済効率、社会正義、個人の自由。

    出典:  「The collected writings of John Maynard Keynes」

  • 自分は現実的であって、どのような思想からも影響を受けていないと信じているものも、いまは亡き経済学者の奴隷であるのが普通だ。権力の座にあり、天の声を聴くと称する狂人も、それ以前に書かれた学者の悪文から、錯乱した思想を導き出している。

  • 経済学は論理学の一分野であり、思考の一方法です。経済学は本質的にモラル・サイエンスであって自然科学ではありません。

  • 現在の為政者や知識人は、すべて過去の知識人や過去の思考の奴隷なのだ。

  • 政府にとって重要なことは、民間がすでに行っていることはやろうとしないことだ。政府でも民間でも僅かな違いしか生まれない。そして政府は、現在民間によって行われていないことに注力すべきだ。

  • 我々はいかに善を為すかより、いかに善であるかの方が要義である。

  • 資本主義社会の難点は完全雇用を実現できないことと分配の不平等である。

  • 長期というのは、今起こっているできごとへの対処を誤らせる概念だ。我々は長期的にはみな死んでしまう。

    解説:  不況に際して長期的に需要と供給が均衡するのを待つべしとする古典派経済学に対し、ケインズはいつまで待っても均衡など達成されないので政府が財政・金融政策を行うべきだと主張した。

  • 世界は、私的利害と社会的利害が常に一致するように天上から統治されているわけではない。

  • 生きるために働く必要がなくなったとき、人は人生の目的を真剣に考えなければならなくなる。

  • 仕事がないなら、公共投資でピラミッドを作ればよい。炭鉱労働者が失業した?では、炭坑にポンド紙幣を埋めて、それを掘り出させればいい。

  • 私は与えられた情報が変われば、結論も変える。みなさんはどうですか?

  • アメリカ人には、金融以外の分野ですら、「平均的な意見に関する平均的な意見」を見つけ出すことに意味もなく関心を持つ傾向がある。そして、アメリカのこの弱みが顕著に表れているのが株式市場である。

  • 遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ、危険なものは既得権益ではなくて思想である。

  • 企業家を悪徳利得家に変ずることは、資本主義に打撃を加えることになるであろう。なぜなら、それは、不平等な報酬の永続を許容する心理的均衡を破壊してしまうからである。

  • 財政支出は浪費的かつ消耗的であればあるほど景気対策としては好都合だ。どんどん無駄金を使うべきだ。

  • 株式投資とは美人コンテストである。この投票で賞金を得るには、あなたが美人と思う人が重要なのではなくて、多くの人々がどんな女性を美しいと思うかが重要であり、あなたの好みとは無関係である。相場の時価は美人投票の結果である。

  • もし農業が株式市場のように組織化されたなら、農場主は雨が降る朝に農場を売り、夕方に日が射したときだけ買い戻すだろう。

  • 投資を成功させるには、他人がどう予想するかを予想することが大切だ。

  • 私はものごとが変われば考え方を変える。

  • 思想史を研究することは、人間精神の解放にとって必須の準備作業である。

  • 嵐の最中、経済学者にいえることが、「嵐が遠く過ぎ去れば波はまた、静まるであろう」ということだけならば、彼らの仕事は他愛なく、無用である。

  • 今日の独裁主義的な国家組織は、効率と自由を犠牲にして失業問題を解決しようとしているようにみえる。しかし、効率と自由を保持しながら病弊を治療することは、問題の正しい分析によって可能となるであろう。

  • 経済学は教義ではなく手法だ。人類が正しい結論を導き出すための用具であり、技術だ。

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ジョン・メイナード・ケインズについて

ジョン・メイナード・ケインズは20世紀前半に活躍したイギリスの経済学者。購買力に基づいた需要である、「有効需要」の概念を用いて財政政策や金融政策を用いた政府の総需要管理の重要性を解き、世界各国の経済政策に重大な影響を与えた。

1883年イギリス・ケンブリッジ生まれ。父はケンブリッジ大学の経済学者であるジョン・ネヴィル・ケインズ。エリート養成校のパブリックスクールであるイートン・カレッジを卒業後、ケンブリッジ大学に入学し、数学を専攻。1906年にケンブリッジ大学を卒業後は、政府の官僚となり、インド省に配属された。しかし、役人生活には馴染めず2年間働いた後にケンブリッジ大学に戻り、確率論を研究した。1909年、経済誌エコノミック・ジャーナルに初めての経済論文を掲載。内容はインド経済の不況についてであった。その後ケインズは1911年にエコノミックジャーナルの編集員になっている。1913年初めての著書「インドの貨幣と財政」を出版した。1915年第一次世界大戦勃発による経済の混乱に困った政府から要請され、イギリス政府の財務省で働く。ケインズは第一次世界大戦の講和条約であるヴェルサイユ条約締結にもイギリス財務省の代表として関わった。

その後ケインズは本格的に学者として活動し、1921年「確率論」、1923年「貨幣改革論」を発表。1925年には金本位制復帰を進める首相・チャーチルを批判する「チャーチル氏の経済的帰結」を発表。さらに1926年「自由放任の終わり」、1930年「貨幣論」を発表した。

1929年ごろからアメリカを震源地に始まった世界恐慌は、株価の暴落や失業率の急上昇を世界各国にもたらして経済を大混乱に陥れ、急激な景気変動が世界的な問題となっていた。そのような中で1936年ケインズは「雇用・利子および貨幣の一般理論」を発表。不況や失業が発生させるのは需要が足りないことによって、生産水準が低く抑えられるためであると説き、短期的な需要の創出のために政府が積極的に財政政策や金融政策を行うべきであると主張した。このケインズの主張は、その後世界各国が不況対策として積極財政、金融緩和策を行うにあたっての理論的裏付けとなって、世界中に大きな影響を与えた。1941年ケインズはイングランド銀行の理事に就任、1942年には男爵の爵位を受けた。1946年心臓発作により死去。享年62歳。