ジョン・ケネス・ガルブレイス

経済学者

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ジョン・ケネス・ガルブレイスの名言

ジョン・ケネス・ガルブレイスの過去の名言をまとめた名言集です。

  • 記憶力の悪さほど、政治の世界で重宝されるものはない。

  • 伝統的な考え方は、考えるという苦痛を伴う仕事から我々を守ってくれる。

  • 単純化することを恐れてはいけない。複雑さは、洗練さを主張することや、単純な真実を避けるための道具である。

  • 誤った決断は永遠ではない。それはいつでも翻すことができる。決断の遅れによる損失は永遠だ。それは決して取り返すことができない。

  • 政治は、可能性に賭ける芸術ではない。悲惨なことと不快なこと、どちらを選ぶかの苦汁の選択だ。

  • どんな大きな組織でも、誤った多数派でいるほうが正しい少数派であるよりもずっと安全だ。

  • アメリカでは、食料の不足よりも食料が多すぎることによって、より多くの人が死んでいる。

    出典:  ジョン・ケネス・ガルブレイス「The Affluent Society」

  • 第二次世界大戦はケインズ革命の持つある特徴を明らかにした。それは、福祉への支出と戦争への支出に対する感情の違いだ。不況の間、失業者に対するわずかな支出は社会を衰退させ、経済的に不健全だとされた。しかし、兵器や兵士に対するその何倍にも及ぶ支出は完全に問題ないとされている。そしてその違いは変わらずに今も続いている。

  • この世界に住むのは、信じるために説得を必要とする人々ではなく、信じるための口実を必要とする人々だ。

    出典:  ジョン・ケネス・ガルブレイス 「The Great Crash 1929」

  • 特権を持つ人々は、自らの持つ重要な利益を失うことを好まず、特権の完全な破壊の危険を犯す。

  • 自分の心を変えるか、その必要がないことを証明するか、という二つの選択肢に直面すると、ほとんど全員がその証拠を得ようと躍起になる。

  • 経済予測を行う者には2種類いる。それは何もわかっていない者と、自分が何もわかっていないことすら知らない者だ。

  • 偉大なリーダーは皆、ある共通する特徴を持っている。それは、その時代の人々の大きな不安に対し、真っ向から進んで立ち向かう気持ちである。他でもなく、これがリーダーシップの要点なのだ。

  • 資本主義という言葉はおおよそ時代遅れになりつつある。今皆が同意し、受け入れられているのは市場経済の思想だ。この変化は、経済や社会における富の資本の役割を最小化あるいは削除する。そしてそれはマルクスの思想へと逆戻りするものだ。資本の所有者やその代理人に代わり、非人格的で優れた市場の力がここにある。

  • 貧困への対策では、所得を提供することが最も効果的だ。食料、住宅、健康、教育、あるいはお金、全てにおいて所得は最も優れた対策である。この真実を語れば、巧妙なごまかしなど生まれないのだ。

  • 経済予測の唯一の機能は、星占いを信用に値するように見せかけることだ。

  • バブルがいつ崩壊するか予測するのは誰にもできない。ただ、過去のバブルは例外なくはじけている。

  • 人は確信がないときほど独断的になる。

  • 富には利点がある。その逆に貧困にもしばしば利点が生まれるのだが、それを皆に納得させることは不可能だ。

  • 経済学は、経済学者に雇用を提供するという観点では極めて有用である。

  • 経営手腕や勤勉さや先見性、あるいは狡猾さの報酬が財産だと考えれば、金持ちが金持ちであることも正当化できる。

  • 会議は大きな罠だ。あなたは合意を得ようとし、賛同しない人たちは説得を受ける権利があると考え始めるのだ。

  • 貨幣についての研究は、他のすべての経済学の分野よりも、複雑さが偽装や言い逃れに利用され、真実を解き明かすことから離れてしまう。銀行が貨幣を発行することは非常に単純であるために、知性的な議論が行われない。

    出典:  ジョン・ケネス・ガルブレイス 「Money: Whence it came, where it went」

  • もし他のすべての者がしくじれば、彼らの引き起こした壮観な誤りが不朽の名声をもたらす。

  • たわごとに錨を下ろすことは、悩ましい思考の海に出航するよりもずっと良い。

  • 資本主義では、人が人を搾取する。共産主義では、それが逆方向に行われるだけだ。

  • 現代の保守派は旧来からの男性中心の道徳哲学に立脚している。そしてそれは利己主義を正当化しようとするものだ。

  • 富には多くの利点が伴う。それを否定する意見も数多いが、確固たる説得力のあるものは未だかつてない。

  • 慎ましさは、あまりにも過大評価されている美徳だ。

  • 途上国の経済発展に必要なことは、第一に教育、第二に資金、三つ目は政府自身が強い意志を持って取り組むことである。

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ジョン・ケネス・ガルブレイスについて

ジョン・ケネス・ガルブレイスはカナダ出身の経済学者。リベラル派の経済学者として知られ、市場の自由に任せるのではなく一定の管理が必要だとする制度派経済学の代表的学者の一人。大きな経済権力に対抗する権力「拮抗力」、企業の広告が需要を発生させるとの「依存効果」、大企業における意思決定の新しい形式を説明した「テクノストラクチュア」などの概念を生み出した。著書に「アメリカの資本主義」、「ゆたかな社会」、「新しい産業国家」、「不確実性の時代」などがある。

1908年10月15日カナダ、 オンタリオ州アイオナステーションに生まれる。父は農家兼教師、母は主婦の傍ら地域社会活動に参加。なお母はガルブレイスが14歳のときにこの世を去っている。オンタリオ農業大学(現ゲルフ大学)を卒業後、カリフォルニア大学バークレー校に進み博士号を取得。第二次世界大戦中の大幅なインフレの中、政府の物価統制官を務め、その傍ら経済雑誌「フォーチュン」の編集委員としても働いた。1949年ハーバード大学教授に就任。民主党と関係が深く、ジョン・F・ケネディ大統領の顧問を務めたり、ケネディ政権下でインド大使として赴任するなどした。1972年にはアメリカ経済学会会長に就任。

ガルブレイスは1952年に出版された「アメリカの資本主義」で、現代経済は大企業の支配などの権力に対抗する力「拮抗力」によって均衡を保っているとする「拮抗力論」を展開。1958年発表の「ゆたかな社会」では、インフレ、生産のバランスの喪失、生産者の広告などが需要を作り出す「依存効果」といった社会の矛盾を指摘。1967年の「新しい産業国家」では、現代の大企業を支配しているのは、さまざまの分野の専門家集団たる「テクノストラクチュア」であることを主張。1977年出版の「経済学と公共目的」では、中小企業の保護と住宅、交通、医療、教育での政府の役割を増大させることを主張。1977年に出版出版した経済思想史の変遷から現代経済を分析した「不確実性の時代」は世界的ベストセラーとなった。2006年死去。享年97歳。