アダム・スミス

経済学者

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アダム・スミスの名言

アダム・スミスの過去の名言をまとめた名言集です。

  • 最小の労力をもって最大の欲望を満たすことが、人間の経済行為の基礎原理である。

  • 我々が夕食を食べられるのは、肉屋や酒屋、パン屋の慈悲によってではない。各々が自らの利益を追求した結果なのだ。

    出典:  アダム・スミス「国富論」

  • 多くの場合、個人の利益の追求こそが社会を豊かにするのだ。それは豊かな社会を目的とするよりもずっと効果的だ。私は公益のために商売をなした者が成果を上げた例を知らない。

    出典:  アダム・スミス「国富論」

  • 消費はすべての生産の唯一の目標であり目的であって、生産者の利益は、それが消費者の利益を促進するのに必要である限りでのみ留意されるべきである。この命題は完全に自明であり、それを証明しようと試みるのはばかげているだろう。ところが重商主義では、消費者の利益はほとんど常に生産者の利益の犠牲にされており、消費でなく生産がすべての産業や商業の究極的な目標であり、目的だと考えているように思われる。

  • 人は自分自身の安全と利益だけを求めようとする。この利益は、例えば「莫大な利益を生み出し得る品物を生産する」といった形で事業を運営することにより、得られるものである。そして人がこのような行動を意図するのは、他の多くの事例同様、人が全く意図していなかった目的を達成させようとする見えざる手によって導かれた結果なのである

    出典:  アダム・スミス「国富論」

  • 価値という言葉は二通りの異なった意味を持つ。ある時は、特定の物の実用性を表し、またある時はその物の所有権が譲渡されることによって生ずる購買力を示す。第一のそれは「使用価値」第二のそれは「交換価値」と表現してよいだろう。最大の使用価値を持つものでも、ほとんど交換価値を持たないことも多く、反対に最高の交換価値を持つものでもほとんど使用価値のない物もある。

  • 犯罪者とは、略奪の本能を持ちながらも自治を獲得するほどの富を持たなかった者のことだ。ほとんどの統治は金持ちによる金持ちのための統治である。古代であれ現代であれ、大部分の組織的な不公正は統治者によって行われている。程度の差こそあれ、民政は富の保障のために生まれており、それは現実には貧乏人から金持ちを守るために生まれた。多くの財産を持つ者を、財産を持たぬ者から守るために生まれたのだ。

  • 社会に属する人々の大部分が貧しく不幸であれば、その社会が幸福で繁栄した社会となることは決してない。

    出典:  アダム・スミス 「国富論」

  • 国民の富とはその国民の年々の労働の生産物であり,これを改善する最大の要因は分業である。

  • どんな種類の変更も改良も望まないほど完全に自分の境遇に満足しきっていることは、おそらくただの一例もないだろう。

    出典:  アダム・スミス「国富論」

  • 利己心の発揮は見えざる手を通じて社会の利益を増大させる。

  • 倫理観が欠如すると資本主義は暴走する。

  • 物乞い以外に同胞の慈悲に頼ろうとする者はいない。

  • 多額の資産があるところには、必ず大きな不平等がある。一人の大資産家に対して500人の貧困者がいる。少数の富は多くの貧困を想起させる。

  • 国家は光り輝く金属の蓄積によって豊かになるのではない、そんなのは子供じみている。国家が豊かになるのはその国民の経済的な繁栄によってなのだ。

  • 利己心に勝る鞭はない。

  • 荷物担ぎと哲学者は、もともとは番犬と猟犬ほどにも違わない。両者の間に深淵を開いたのは「分業」である。

  • 労働の賃金は勤勉への奨励であって、勤勉とは他のすべての人間の資質のように、それが受ける報奨に比例して改善する。

  • 自らよりも他人により感じ入り、利己心を抑えることは、自らの慈悲を発動させることであり、人類の理想を実現することである。

    出典:  アダム・スミス「道徳情操論」

  • 犯罪者への慈悲は、罪のない人々への無慈悲である。

    出典:  アダム・スミス「道徳情操論」

  • あなたは最初に自分自身について知らなければならない。自分自身について知っている者は、自分の殻を破ることができるし、自らの態度を傍観者のように観察できる。

    出典:  アダム・スミス「The Money Game」

  • 群衆の一員でいることは、まったく気楽なことだ。

  • 世の中のために働いていると言っている人間で、本当に世の中のために働いている人間を見たことはない。

  • 社会の利益を増進しようとする場合よりも、自分自身の利益を追求する方が、はるかに有効に社会の利益を増進することがしばしばある。

  • 権力者、富裕層への称賛や崇拝、貧困者、困窮者への軽蔑や無関心は、我々の道徳の退廃の最大にして共通の原因だ。

    出典:  アダム・スミス「道徳情操論」

  • 人々の懐から金を吸い取るのは、政府が最も早く取り組むことだ。

  • 科学は熱狂や迷信の毒に対する素晴らしい解毒剤である。

  • 国家を最低の野蛮状態から最高の富裕に導くには、平和と軽い税金と、正義の寛大な執行の他に不可欠なものはほとんどない。

  • 水ほど役に立つものはないが、水ではなにも買えない。反対にダイヤモンドはなんの使用価値も持たないが、交換すると相当な量のものを手に入れることができる。

  • 健康であり、負債を持たず、清廉な心があれば、幸福のためにそれ以上求めるものがあろうか?

    出典:  アダム・スミス「道徳情操論」

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アダム・スミスについて

アダム・スミスは18世紀に活躍したスコットランド出身の経済学者。「国富論」によって経済学を世界で初めて理論的に体系づけた。「経済学の父」とも呼ばれる。資本主義経済の原理を解き明かし、人間の持つ利己心が社会的原理を通して公共の福祉に資するとの主張を展開。国家は国防・司法・公共事業など最低限の任務のみを遂行すべきだとの「夜警国家論」を導いた。アダム・スミスの思想は現代の古典派経済学へと受け継がれている。また、富の源泉を労働に求める労働価値説はマルクス経済学にも受け継がれた。

1923年6月5日スコットランドのカーコーディ生まれ。グラスゴー大学、及びオックスフォード大学で道徳哲学を学び、グラスゴー大学で13年間道徳哲学を教え、1959年に「道徳感情論」を発表した。グラスゴー大学退職後はスコットランドの貴族ヘンリー・スコットの家庭教師となり、ヘンリー・スコットに随行しておよそ3年間フランスに滞在、この頃、ヴォルテールらの啓蒙主義者、ケネーらの重農主義者と交流を持ち、その影響を受けた。

フランスから帰国したアダム・スミスは年金によって生計を立てながら経済の研究に没頭。10年の歳月をかけて1776年に「国富論」を書き上げた。「国富論」でアダム・スミスは、個人の利潤追求に基づく労働が「見えざる手」に導かれて秩序を生み、国の富を増大するという理論から、重商主義を批判して、自由な経済活動を推奨した。国富論は、近代・現代における経済学の出発点と位置づけられており、さらに社会思想史上の古典とも位置づけられている。その思想は19世紀以降のイギリスの自由な通商主義政策の論拠ともなった。国富論で名声を高めたアダム・スミスは1787年母校グラスゴー大学の総長に就任。3年後の1790年に死去。享年67歳。