日本の国力を高めるためにも、日本人が知的財産をしっかり獲得していくことは本当に大切です。たとえば中東の、これまではオイルマネーで非常に潤っていた国も、知的財産、科学技術にどんどん投資していこうという動きが起こっています。 それは、国際連携をしっかりやるなかで、非常に大切なプレイヤーとして日本人が光り輝くということが大切だと思います。ヒトのゲノム解読の時も、最終的には日本の貢献はずいぶん少なくなってしまいましたので、やはりこれから科学技術の分野で貢献度を高めていかないと、どんどん置いてきぼりになっていってしまうんじゃないか、という危惧を持っています。
山中伸弥 医学者、iPS細胞の開発者
この名言を見ている方にお薦めの名言
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世界に主張していくにはフェアかアンフェアか、ここに絞って主張すべき。
橋下徹 弁護士、政治家
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個人の行動のうち、社会に対して責任を負わなければならないのは、他人に関係する部分だけである。本人だけに関係する部分については、各人は当然の権利として絶対的な自主独立を維持できる。自分自身に対して、自分の身体と心に対して、人はみな主権を持っているのである。
ジョン・スチュアート・ミル 哲学者、思想家
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各種の統計や数値も、そのまま信じないこと。たとえば、最近は格差問題に関して「サラリーマンの賃金は上がっていない」という統計が良く使われます。しかし、実際に調べてみると高齢者が大量に定年を迎え、景気回復で新入社員の採用数が増えたことが平均給与を押し下げているのです。
田原総一朗 ジャーナリスト
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僕は日本の野球は「世界一」だと思っています。同時に野球にたずさわっている人全員が同志であり、仲間だと思っています。僕がパイレーツでプレーしていた時にも、メジャーの関係者から「日本の野球育成システムは素晴らしいね」とよく言われました。しかし、そんな日本野球界でも良い意味でも悪い意味でも課題は山積だと思っています。
桑田真澄 元プロ野球選手
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本当に大事なことは、小声でも届くものだ。
伊坂幸太郎 小説家
山中伸弥の他の名言
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私が一番影響を受けたのは、「仕事は楽しいかね?」という本です。その本には、「10回トライしたら、そのほとんどが失敗する。一つくらいはいいことがあるかもしれないけれど、結局全部ダメなことのほうが多いよ。でも、それが仕事の楽しみ方だ」ということが書かれていました。いろいろやってみてダメなのが当然、その失敗を楽しむのだと。研究はまさにその通りだと思っています。「こんな研究をやっても失敗するんじゃないか」と思ってしまうものですが、ともかくやってみる。それが大事だ、と。
山中伸弥
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一番の重傷は大学で膝の靱帯を切ったことですが、それ以外にも鼻や足の指、手首など骨折だけで10回以上しているんですね。その度に整形外科のお世話になりました。中学生の頃から父に「医者になれ」とずっと言われていたこともあり高校2年くらいの時には「整形外科医になろう」と思っていました。大学3、4年ごろには、スポーツ外傷を治す専門医になるというはっきりしたビジョンができました。
山中伸弥
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多様な考え方があるべきだと思います。特に研究は、ちょっと変わった人に向いている場合が多いんですよ。昔、私の研究室に、問題ばかり起こしていた学生がいました。ある時、彼がアメリカ留学を望み、私のアメリカの研究者友達に紹介状を書いてくれと言ってきたので、私は正直に彼のことを書きました。日本だったら、そんな問題児はまず採用されないですよね。でも驚いたことに、アメリカの友人は彼を採用したのです。「本当にいいのか」と聞いたら、「そういうやつがええんや」と。
山中伸弥
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研究者は役に立つかわからないものを研究すべきだし、科学研究費助成事業のように、海のものとも山のものともつかない研究を支援する仕組みが、国全体の技術力を維持するうえで非常に大切です。
山中伸弥
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私が「アメリカは強いな」と思うのは、先行きがわからない回旋型の研究を、億万長者が寄付金によってサポートしているところです。過去の成果ではなく、これからのアイデアでどの研究に資金援助をするか決めています。ですから、回旋型の研究がどんどん育っています。
山中伸弥
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私は毎月アメリカに行っていますので、海外から日本を見る機会が多くあります。その中で、やはり今、経済面はもちろんのこと、科学の面でも、世界の中での日本の地位が徐々に下がっていると実感します。これまでアジアの中で日本は、科学の面では圧倒的にトップを走っている時代がずっとありましたが、今は危うくなってきています。
山中伸弥
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日本が生きていく大きな道のひとつは、科学技術立国だと考えています。研究者や技術者はみな、科学技術立国たる日本を背負っているのだと自負しています。若くて柔軟な人が次々と研究に従事するようになれば、もっと伸びていくでしょう。
山中伸弥
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日米両国を行き来して感じるのは、米国では科学者は多くの若者たちのあこがれの的だが、日本ではそうなっていない。どうしたら、この日米の溝を埋めていけるのか考えている。
山中伸弥
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かつては、研究者ひとりひとりが言ってみれば職人のような感覚だったと思います。ですから何かある特殊な実験技術を身につけて、それを武器にするという研究者が多かったように思います。でも今はいろいろな技術が自動化されたりしていて、ある技術を持っているだけですごく有利になるということはあまりないと思います。それよりも新しい技術を持ったいろいろなグループと、共同研究などで大きなグループを作って役割分担しながら、自分の仮説なりをいち早く証明していく、そういう能力が必要とされています。昔はけっこう個人プレーとか非常に小さなグループでどんどん研究が進みましたが、今は違う大学、違う国の人といち早く協力する、そういう能力のある人の方がいい成果をどんどん出していると思います。
山中伸弥
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特許が難しいのは、新しい知見を発見した当時は、将来化けるかどうか検討がつかないことです。特許申請には多少なりとも費用がかかるため、大学は厳選して申請するのが普通です。ただ、稼げる技術に育つ知見を選択して申請することは困難です。もしかすると、宝の卵をふるい落としてしまっているかもしれません。ですから、なるべく多くの特許を申請する必要があると考えています。
山中伸弥