官僚も普通の人。聖人でも悪人でもない。職場での居心地と将来の出世が気にかかる。それを決めるのは同じ府省に勤める仲間の評判だ。仲間の評判を高めるには、それぞれの府省の予算を増やし、組織を伸ばし、規制権限を広げることである。景気をよくし、経済を活発にする規制緩和に官僚たちが抵抗するのは当然だろう。
堺屋太一 経済評論家、小説家
この名言を見ている方にお薦めの名言
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今は「多様化の時代」と、誰もがしたり顔で話します。しかし、今の日本のどこが多様化なのでしょう。誰かが「多様化」という耳に心地よい言葉を使うので、みんな、多様化、多様化といっているのであって、私が商売を通じて見る日本人の姿は、明らかに「画一化の時代」です。
鈴木敏文 セブン&アイ・ホールディングスCEO
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日本の国力を高めるためにも、日本人が知的財産をしっかり獲得していくことは本当に大切です。たとえば中東の、これまではオイルマネーで非常に潤っていた国も、知的財産、科学技術にどんどん投資していこうという動きが起こっています。 それは、国際連携をしっかりやるなかで、非常に大切なプレイヤーとして日本人が光り輝くということが大切だと思います。ヒトのゲノム解読の時も、最終的には日本の貢献はずいぶん少なくなってしまいましたので、やはりこれから科学技術の分野で貢献度を高めていかないと、どんどん置いてきぼりになっていってしまうんじゃないか、という危惧を持っています。
山中伸弥 医学者、iPS細胞の開発者
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2ちゃんねるは匿名発信じゃなかったら、論理的な意見は出てこないでしょうね。日本人って自分の意見を述べないし、流されて意見を言う人も多い。だから、2ちゃんねるで発言をするのは、KYになれる瞬間ですよね。
西村博之(ひろゆき) 2ちゃんねる開設者
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真実は小説より奇なり。なぜなら、フィクションは可能性を持っていなければならないが、真実はそうではない。
マーク・トウェイン 小説家
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我々人間の特色は、神の決して犯さない過失を犯すということである。
芥川龍之介 作家
堺屋太一の他の名言
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世に義によって動く者は少ない。
堺屋太一
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経済格差があることがいいことか、悪いことか、これは難しい問題です。格差=悪と決めつけることは、ある一定の生き方、働き方を強要することにもなりかねません。誰もが正社員になって終身雇用で働いていた時代は、確かに格差は小さかった。でも、正社員と同じ給料でなくても、その分時間が欲しいという人もいるでしょう。働き方、生き方を自由に選べる社会では、結果として経済格差は残る。これは仕方がないことです。
堺屋太一
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官僚主導業界協調体制のシンボルは経団連であり、日本商工会議所である。大企業の経営者はその役員となって業界世話役の「財界人」に変身すると同時に、古巣の企業にも影響力を残して、交際費や団体への会費・協賛金を提供した。個人の収入と資産の乏しい戦後日本では、これが社会の最上部を形成した。
堺屋太一
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ペストなどによる人口の減少期にこそ、イタリアでは手工業が発達し、ヴェニスやジェノバの海洋商業が拡大、やがて来るルネッサンスが準備された。人口が減少すると生産性の低い土地は放棄され、都市に人口が集中、手工業や海運交易が盛んになったからだ。人口減少社会でも生産性の高い分野に人口と資本を移転していけば、さらなる経済と文化の発展は可能。
堺屋太一
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知価ブランドの商品値段は高額です。「そんなものにお金は出せない」という人も出てくるでしょう。その一方で、知価ブランドが提供するイメージに共鳴した人は、高い意思決定コストを乗り越えるだけの強い思い入れがあるぶんだけ、そのブランドを手にすることで「他の人とは違う」「いつもとは違う」という、非日常的な経験を味わえるのです。
堺屋太一
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受験の影響というのは、本当に強くなっていると感じます。もちろん、すべての東大生がそうとは言いませんが、「私は東大入試に合格しました。だから同世代で最高に優秀だ」というように、受験による基準がすべてになっています。こういう人たちでは、何も新しいものは生み出せません。
堺屋太一
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安全だけでいいなら、監獄に入ればいい。それでもみんな入りたがらないのは、監獄には幸福を追求する選択性がないからです。その意味で、今の日本はまるで監獄国家とも言えるほどです。その監獄国家から、幸福の追求ができる選択国家にしなきゃいけない。
堺屋太一
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日本の歴史を振り返っても、大きな変革は、それまでにあった価値観をすべて否定することから起こっています。
堺屋太一
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消費税導入当時、それ自体には賛成していましたが、あまりに細部にこだわり、東京を中心とした制度設計なのはどうしたものでしょう。地方のコンビニエンスストアが消費税を集めても、実際に払うのは東京の本社ですから、税は全て国と東京に流れるわけです。地方の人々が「うちの市に税収を増やそう」と動けるようにした方が良いのではないかと思っています。
堺屋太一
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歴史はその最終段階だけが重要なのではない。経営者の評価や財界人としての基準も変わった。80年代までのヒーローの中にも「墜ちた偶像」が何人もいた。その一方でまた、新しい経済のスターが現れつつある。没落した経営者が、その得意の絶頂で何を語り、何を誇ったか、それを読むのもまた興味深い。
堺屋太一