官僚や潰れる心配のない大企業の社員の間では、「大切なのは報・連・相」といわれた。何ひとつ価値を生まない組織内の情報交換が重要な仕事となったのだ。そんな組織で新たな価値をつくり出せるわけがない。
堺屋太一 経済評論家、小説家
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1個すごいの作ろうって思ってないんすよ。ずーっと作り続けなきゃいけないっていう、いつまでできるんだっていうのを心配しながら、たくさん作らなきゃいけないじゃん?自分の持ってる残り少ない能力を分散しなきゃいけないのよ。
奥田民生 ミュージシャン、音楽プロデューサー
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日本はパーツで良いものを持っていても、システム化するのが苦手です。自動運転車を見ても、確かに日本のセンサーは優れています。しかし、道路交通法で「車の運転は人が行うもの」と定められているため、公道で実験できません。これではイノベーションは起きない。日本はそういった弱さが克服できていません。
竹中平蔵 経済学者、政治家
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過去の大事業も、それが成し遂げられる前は「ばかばかしい、不可能だ」と思われていたようなこと。ばかばかしさを楽しむことを忘れなければ、社会も人も変わっていく。
堺屋太一
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我々の若いころは、感情論で話をすることは恥ずかしいことでした。たとえば会議で同僚から「君の意見は感情的だ」と言われると「違います、データがあります」なんて言い訳をしたものです。ところが80年代以降は、「あなたの言っていることは単なる数字。住民感情はそんなもんじゃない」と言われたら一発で負けなんです。主観や感情が科学的数字に勝つようになってしまった。
堺屋太一
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戦後の日本は自由主義の旗を掲げながら、実際には官僚主導業界協調体制をつくった。それは、実現社会の動きとしては全体主義統制経済の方に近い。日本が「最も成功した社会主義国」と言われたのも、故無きことではない。
堺屋太一
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戦後の日本では官僚が個人の人生設計まで全てを決めてきました。それに従っていれば、それなりの中流になれた。いわゆるジャパニーズドリームですね。逆に、官僚が敷いたルートから外れると、とことん損をした。役人の言う通りに生きるのが良い国民で、それに反するのは悪い国民だと。だからニートとか、パラサイトとか、もう散々悪く言われるんですよ。
堺屋太一
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実務の世界ではよく「現実的」という言葉を使うが現実的とは「目的を達成し易い」ことであって「着手し易い」ではない。
堺屋太一
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若い世代には、自分が何が好きなのかを一人ひとり考え、それを実行してほしいですね。世間から笑われたり、そんなの無駄やと言われてもいい。高度成長期は一人ひとりが経済成長し、その蓄積が高度成長になったように。今度は一人ひとりが「好きなこと」をやる。その蓄積が日本全体で大きな創造になる。
堺屋太一
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受験の影響というのは、本当に強くなっていると感じます。もちろん、すべての東大生がそうとは言いませんが、「私は東大入試に合格しました。だから同世代で最高に優秀だ」というように、受験による基準がすべてになっています。こういう人たちでは、何も新しいものは生み出せません。
堺屋太一
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産業革命以来ずっと近代思想の根底にあった「物財が多い方が人間は幸せだ」という考え方。モノをたくさん作るのは正義だ。そのためには規格大量生産が一番いい。その結果、日本は自動車や電気製品に代表される規格大量生産が世界で一番上手な国になった。ところが人類の文明思想は80年代に大転換し「本当に物財が多いことが人間の幸せだろうか。満足が大きいことが幸せではないか」という方向に変わってきた。
堺屋太一
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今や日本は世界一安全です。けれど、全然楽しくない。安全だけでいいなら監獄に入ればいい。それでもみんな入りたがらないのは、幸福を追求できる選択性がないからです。これからの日本は、「楽しい日本」「多様な社会」にしなきゃいけない。
堺屋太一